2009年11月29日 18時34分更新
7年前から行方がわからなくなっている津山市の主婦の夫が、29日、岡山市で講演し、事件の取材が過熱すると、被害者を傷つけることもあるとして、報道のあり方を考えて欲しいと訴えました。
講演会は、犯罪被害者週間にあわせて犯罪にあった人を支援しているNPO法人が開いたもので、岡山市北区の会場には市民や報道関係者などあわせて70人が集まり、津山市の医師、高橋幸夫さんの講演に耳を傾けました。
高橋さんの妻、妙子さんは、7年前、突然自宅からいなくなり、警察の捜査が行われましたが、いまだに行方がわかっていません。
講演で高橋さんは、当時、妙子さんの失そうのいきさつを知っている可能性がある2人の人物が自殺したことに触れ、「メディアの取材が過熱し、2人を自殺に追い込んだ可能性は否めない。当時の報道のあり方は興味本位で、無責任だった」と指摘しました。
そのうえで、犯罪被害にあい、深く傷ついている被害者が、事件の報道によってあらたな被害にあわないよう、「メディアは思いやりをもって節度ある取材を行うべきだと」と訴えました。