今月発売分の美少女文庫は、売り上げ的にも話題的にも『ウチ妹』が圧倒だけれど、これは同じ美少女文庫の他作家さん的にはどうなんでしょう。
『ウチ妹(美少女文庫の方。以降同様)』が話題になったのは、もちろんそのタイトル(と併せた内容設定)で、特にこの部分はネットでネタになり易いから当然だと思います。
ロゴを見ないとわかりづらかった『さいみん!』よりも、タイトルを読んで直ぐに気が付くキャッチーさの分だけ突っ込みの間口も大きかったでしょうし。
売れているわけだから、これからもこの路線は続くでしょうね。
ただこういう外装のパロディは、想像に過ぎないけれど他作家さんには忸怩な部分はありそうな気がするわけで。
流行の作品からキャラクターの一要素を取り入れるとか、名前を借りてパロディにするとか、そういう内装の取り込み部分とは性格の違うものですよね、これは。
エロライトノベル自体、俗にも俗な大衆文化なわけですし、それ自体に批判というわけではないのです。
けれど、これはちょっとした「のどの小骨感覚」です。
商売としては売れる事は大前提だから、間違いなく正義。
一方で、たとえば今月分で言っても増刷分を含めれば『ウチ妹』は『ガールズ☆レッスン』の1.5倍は刷られてると思うのですが、そういう売れ方を見せられると、やっぱり小骨がちくちくはすると思うんです。
挿絵を添えただけの自分でもちょっと感じるくらいですから。
例えば自分は『化物語』にハマった後なので、1ヶ月仕事が無くなったら、迷わずフルカラーでイラスト本を作ってしまいたいような、そんな最中です。
撫子蕩れーな影響で、キャラクターデザインしたヒロインに普段あまり被せない帽子を被せてしまったりもしました。
けれど、「化物語をパロディにした表紙で売りたいから、表紙のイラストはガハラさんそっくりで描いて」と仕事を振られれば、ものすごーく嫌な顔をしながら、「わかりました!」と答えてその通りなイラストを描くと思います。
そういう小骨感です。