ファンは伊藤を新しいスター候補生に指名した。中日のファン感謝デーが開かれた28日、中日スポーツはナゴヤドームで来場者100人にアンケート。「来季、最も期待する若手は?」との問いに対し、最多の20人が伊藤準規投手(18)を挙げた。今季、レギュラーシーズンでわずか1試合の登板で鮮烈な印象を残した高卒ルーキーが、2年目に大きく飛躍することを竜党は望んでいる。
実績がほぼゼロの18歳が期待度では居並ぶ先輩たちをごぼう抜きにした。ファンの熱い支持を集めての、「期待の若手」ナンバーワン。伊藤は少し驚きつつも、ファンの期待を喜んで受け止めた。
「うれしいです。最近は球場でも声をかけてもらえる機会が増えてきました。応援していただいていることは本当に励みになります」
今や、潜在能力の高さを疑う者はいないだろう。プロ初登板だった9月30日の巨人戦(ナゴヤドーム)では最速149キロをマークして1イニングをピシャリ。ファーム日本選手権(10月3日・富山)では先発に抜てきされ、日本一に貢献した。CSにも登板。きらめく才能は竜党に大いなる夢を抱かせた。
そんな思いに応えるべく、伊藤は2年目の照準をピタリと「開幕」に合わせている。「開幕1軍? そういう気持ちです。そう簡単じゃないことはわかっていますが、キャンプの頭から自分の力を出せるように準備して、勝負したい」
層の厚い中日投手陣で高卒2年目の若手が1軍に食い込むのは至難の業。それでも、伊藤に気後れはない。「どうすればプロで抑えられるかということも、だんだんわかってきた」と力を込める。
「まずは初勝利。来年は結果を出していきたい」と伊藤。吉見、チェン、浅尾と力のある若手がひしめく投手陣に、ファンの後押しを受けて新星が割って入る。 (木村尚公)
◆17票で2位、野本
惜しくもトップとはならなかったが、野本も2番目に多い17票の支持を集めた。「ファンの皆さんの期待に応えられるように頑張ります」と目を輝かせた。
今季はドラフト1位で入団し、開幕1軍をつかみながら、出場64試合で打率2割5分1厘、2本塁打。思うような活躍ができなかっただけに、雪辱への思いは強い。「下半身ですとか、体力ですとか、秋にやってきたことを今後も継続していきたいですね。どんどん走り込んでいきたいです」。今オフはナゴヤ球場を中心に体力強化に努める考えだ。
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