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【コラム 撃戦記】内藤の消えるパンチが危険2009年11月19日 かつてこれほど因縁が積もった対決はない。弟のかたきを兄が討つ。まるでタイムスリップして活劇を見ているようだ。17日の内藤、18日の興毅と、双方の公開練習を見た印象では、勝敗予想は五分だ。 スピード、テクニック、パワーの3要素を比べれば、一つひとつでは優劣がある。だが、総合評価は“拮抗(きっこう)”と言わざるを得ない。若さと勢いで優位の興毅も、変則でトリッキーな戦い方で防衛を重ねた内藤のキャリアにはかなわない。それを双方が認め合っての対決が、行方をまたややこしくしている。 ただ、内藤は前に出るファイターを左右に散らし、どんな体勢からでも打てる“出どころ”が読めないパンチがある。挑戦者からすれば、消える“幻のパンチ”だ。内藤には失礼だが、O脚の成せる技だろう。17日の公開スパーでも、終了間際に大きく体勢を前に倒しての右フックを一発だけ見せた。正統派の興毅がまっ正直にいくと危険だ。 (格闘技評論家)
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