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キャバクラのよう? ネット時代のアイドル「AKB48」、ファン相次ぐ逮捕の背景 (2/2)

2009年11月24日 08時52分 更新
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劇場で大暴れ 郵便物窃盗…エスカレートするファン

 「ファンが自分の意思でやっていることだから問題とは思わないが、こんなことが可能になるのは、趣味にはいくらでもオカネをつぎ込む、アイドルオタクがAKBを支えているから」

 あるファンはこう話す。

 平成17年に結成されたAKB48は「オタクの聖地」として有名な東京・秋葉原を活動の拠点とし、まさにオタクのアイドルとしてスタートした。「AKB」の名前も、秋葉原の別称「アキバ」のアルファベットの頭文字に由来する。

 グループを「プロデュース」したのは、作詞家で音楽プロデューサーの秋元康氏。20年以上前に大流行した「おニャン子クラブ」の“仕掛け人”でもあり、芸能界では数々の実績を誇る大物だ。

 大人数のグループという意味では、AKBは「おニャン子−」や、最近の「モーニング娘。」に似ているが、「会いに行けるアイドル」という新しいコンセプトがあるという点で、大きく異なる。

 250人ほどが収容できる秋葉原の専用劇場でほぼ毎日公演を行い、握手会などファンと会うイベントを数多く行う。大手の雑誌や広告ではなく、絶えずインターネット上でファンに直接、情報を発信し続ける。

 こうした戦略が的中して人気は拡大したが、その一方で握手券詐欺が出たり、劇場で暴れたりするファンも出始めるようになった。

 AKB側では、問題を起こすファンを公演の“出入り禁止”にするなどして、抑止策をとってはいるが、暴走は止まらずにエスカレート…。

 そんなケースが、AKBのメンバーの郵便物を盗んだとして逮捕され、窃盗罪で起訴された東京都新宿区中落合の無職、渋谷耕太被告(25)の事件といえる。渋谷被告は“出入り禁止”になっていたファンの1人だった。

メンバーのモノなら何でも… ストーカーまがいも出現

 知人・関係者によると、渋谷被告は仲間から「アイドルオタク」とみられていたが、もともとはAKBのファンではなく、テレビ出演などはほとんどない「地下アイドル」などを応援するようなタイプだった。しかし、次第にAKBを“応援”するようになった。特に、AKB初期のメンバー(すでに卒業)を気に入っていた。

 ただ、大多数の普通のファンとは異なり、公演会場で暴れるなどしたとしてトラブルになり、“出入り禁止”になっていたという。

 埼玉県警によると、昨年10月から今年4月までにAKBメンバー1人の転居届を勝手に郵便局に提出し、郵便物13点を自宅に送らせて盗んだ窃盗容疑で今年8月に逮捕。その後、メンバー11人の郵便物200点を同様の手口で盗んでいたことが判明した。

 「メンバーのものは何でも手に入れたかった」

 メンバーへの手紙や電話料金の請求書などを入手して悦に入っていたようで、同署の調べにこう供述しているという。

 「ストーカーのようなファンは珍しくない。メンバーを尾行するなどして、秘密にされている住所を探し当てる人もいる」

 あるファンが明かすように、AKBメンバーにも行き帰りに近づこうとするファンは少なくないという。埼玉県警によると、渋谷被告はこうしたファン仲間で出回っているメンバーの自宅情報を入手し、転居届を出していたとみられ、裏付け捜査を進めている。

社会現象化 新しい時代のアイドル

 秋葉原の小さな劇場からスタートし、いまやトップアイドルとなったAKB48。先月の新曲「RIVER」はオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得した。前田敦子さん、大島優子さん、大島麻衣さんらのように、単独でもテレビなどで活躍できるアイドルも次々と輩出している。

 その一方で、グループの性格も少しずつ変わろうとしている。「会いに行けるアイドル」といわれたが、公演劇場はいつも満席。にわかファンが思いつきで会いに行くことは難しい。以前は、劇場がある秋葉原中心街のビルに公演チケットを求めて長蛇の列ができていたが、販売方法がネットを利用した抽選になり、それも消えてしまった。

 「ゴミを路上に捨てる」「平日なのに小中学生らしき少年がいる」…。

 秋葉原の中心街で、毎日のようにできる行列には悪評が立ち、事情に配慮した劇場側が販売方法を改めたためだ。

 インターネット全盛時代に出現した新しいアイドルは、身近な「会いに行けるアイドル」から、メジャーなアイドルへと大きく育つとともにファン層も拡大してきた。AKB48の狂騒曲は今後、どのような展開をたどっていくのだろうか。

関連キーワード

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