ドラム缶遺体事件 車内からのこぎり…トランクに血痕
大阪府阪南市の車庫に置かれたドラム缶から5年前に行方不明になった元会社経営者夫婦の遺体が見つかった事件で、車庫で発見された夫婦の乗用車からのこぎりや血痕が見つかっていたことが28日、分かった。捜査本部は同日、夫婦の乗用車や腕時計を盗んだとして窃盗容疑で建築作業員鈴木勝明容疑者(42)を送検、夫婦失跡への関与についても慎重に調べる。
捜査関係者によると、ドラム缶から見つかった大阪府和泉市の元会社経営浅井建治さん=当時(74)=と妻きよさん=同(73)=のうち、きよさんの遺体の右脚が胴体と離れ、切断されたようなあとがあった。車庫で見つかった夫婦の乗用車からはのこぎりが見つかり、トランクに血痕が付いていた。
また、夫婦の失跡判明2日後の04年12月6日朝、浅井さんの携帯電話から「金沢の温泉に来ている。明日、富山に行き、2日後には帰る。電源がないから明日電話する」とのメールが長男に届いていたことが判明。しかし、6日正午ごろ確認された浅井さんの携帯電話の微弱電波はドラム缶が見つかった車庫から約1キロの阪南市内から発信されていた。
浅井さんの自宅と同じ敷地にある会社事務所の床やマットからは夫婦の血痕が複数見つかったが、メールでは「妻とけんかしてたたいたら鼻血が出ただけ。心配しなくていい」と説明。事件に巻き込まれたものではないと強調していた。
その後、夫婦からの連絡はなかった。さらに同日未明、夫婦の乗用車が同府泉南市で確認されていたことも分かった。
一方、夫婦の自宅に荒らされた跡はなかったが、会社事務所から金融機関の口座の通帳などがなくなっていたことも分かった。鈴木容疑者は当時消費者金融などから100万円以上借金があった上、新築工事の作業員として事務所に出入りしていたことが分かっている。
捜査本部は車のトランクで見つかった血痕が経営者夫婦のものとみて鑑定し、殺害場所の特定を進めるとともに、夫婦を殺害した人物が発覚を防ぐために偽装工作として浅井さんの長男にメールを送ったとみて捜査。鈴木容疑者からも事情を聴いている。
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