サブカテゴリー

興毅それでもラスト挑発“反則するなよ!”

亀田興毅(中央)が計量を終えてベルトを留めている最中に“ス〜”と引き揚げる内藤大助
亀田興毅(中央)が計量を終えてベルトを留めている最中に“ス〜”と引き揚げる内藤大助
Photo By スポニチ

 ついに何も起こらないまま決戦当日を迎えた。29日午後8時半にゴングが鳴るボクシングのWBC世界フライ級タイトルマッチ(さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が28日、都内で行われ、王者・内藤大助(35=宮田)は50・7キロ、挑戦者・亀田興毅(23=亀田)はリミットちょうどの50・8キロで一発パスした。この日も興毅は内藤の“無視作戦”に遭い、ヒートアップが期待された試合前の激突は空振りのまま終了。興毅は内藤に反則禁止を要求して最後の挑発をし、決戦のリングを迎える。

 計量後の着替えも済んでいなかった。黒いTシャツ、白いパンツを着てベルトを留めていた興毅の横を、先に計量を終えて着替えを済ませた内藤が通り過ぎた。関係者にブロックされて出口に向かう内藤を、興毅の厳しい目つきが追う。完全無視。メンチ切りも、威嚇の握手をする間もない。試合前最後のパフォーマンスの機会も空振りに終わり、興毅はあきらめたような表情を見せた。

 「気持ちが小さいんちゃうの?(握手も)やる気ないやろ。何回も見てるのに、1回、目が合うとそらしてるし。最後まで何もなかった。プロやないな、盛り上げたいとか言ってな」

 興毅が接触を避けた24日の予備検診、内藤が無視を決め込んだ27日の調印式に続き、期待されたリング外での激突はこの日もなかった。因縁の対決は、ヒートアップしないままゴングを迎えることになったが、興毅は挑発も忘れなかった。

 「注目されている世紀の一戦、ビッグマッチやからな。(内藤には)フェアなきれいな試合を望んでいる。チャンピオンらしく戦ってほしいな」

 内藤でなく、興毅の反則禁止要求。07年10月の内藤―次男・大毅戦で、すくい投げなどの反則行為のため、大毅がライセンスの1年間停止処分を受けた。事件は大きな話題となり、一般的に反則=亀田家のイメージがある。それだけに、内藤ではなく、興毅の反則禁止要求は全く逆の感覚だ。

 だが、興毅の真意は前日のルールミーティングが示している。亀田ジムの五十嵐会長は「内藤のバッティング、ローブロー、クリンチを注意するように」レフェリーに要求したという。特に、反則ではないが、左腕を伸ばしたまま射程を保つ行為を警戒。内藤は伸ばした左手で相手の頭を押さえて踏み込みを妨害することがあり、目隠しをされる危険もある。レフェリーに、反則=内藤のイメージを持たせる心理戦の意味合いもあった。

 興毅は27日夜のTBS番組「金スマ」で、負けた場合の引退を示唆した内藤に引導を渡すかと問われ「そうやな。あいつも終わりや」と答えて計量会場を後にした。パフォーマンスで盛り上げなくても、兄による弟の敵討ちか、それとも王者による返り討ちか、という一般的な注目も集める因縁の対決。いずれにしても、結末はリング上にしかない。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2009年11月29日 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

注目アイテム

ニュース

クイックアクセス

注目試合

プロレス試合結果

特集

ボクシング

ピックアップ

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲