中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

人工雪、滑り出し上々 岐阜・郡上のスキー場

2009年11月28日 夕刊

写真

 緑の残る山腹に白いゲレンデが蛇行する。滑降してきたスノーボーダーやスキーヤーが、次々とリフト乗り場に向かう。人工雪を積極的に使う岐阜県郡上市内のスキー場が、早くもにぎわいを見せている。東海北陸自動車道の全線開通で好調だった昨季とほぼ同様の出足で、スキー場にとって逆風のはずの暖冬のマイナス要素を吹き飛ばす勢いだ。 (郡上八幡通信局・近藤隆尚)

 鷲ケ岳スキー場(郡上市高鷲町)は、造雪機を使って幅30メートル、長さ1500メートルのコースを整備して今月1日オープン。22日までの利用者は約1万8000人で、昨季同様の好調な滑り出しだ。

 東海北陸道高鷲インターチェンジから、車でわずか3分。付近ではこれまで3回ほど降雪があっただけ。好天なら周囲に雪を見ることなくスキー場の駐車場まで到着できる。

 愛知県豊田市の会社員兼子美鶴さん(32)は「家から車で1時間20分ほどで来た。本格的な冬になれば長野県にも行くけど、ここは便利。この時期に1500メートル滑れるのはうれしい」と話した。

 鷲ケ岳スキー場だけでなく、昨季は郡上市内で営業したスキー場11カ所のうち6カ所が、前季の入場者数を上回った。人工雪を取り入れたスキー場ばかりで、昨夏の東海北陸道全通効果と合わせ、雪のない道路をスイスイとスキー場まで行ける簡便さが評判を呼んだと分析された。

 雪の多い長野県内のスキー場が昨季、94カ所中、前季比増が17カ所だけだったのとは対照的だ。

 好調の理由について、鷲ケ岳スキー場の猪俣美良支配人は、営業開始日を固定してきたことの浸透を指摘する。「6年前に造雪機を導入し、1500メートルコースをPRしてきた。オープンを11月1日に固定した3年前から出足が良くなった。雪があってもなくても滑れるという安定したイメージを持ってもらえたと思う」

 人工雪の技術は進むばかりで、鷲ケ岳スキー場は1500メートルゲレンデを実現したほか、ウイングヒルズ白鳥リゾート(郡上市白鳥町)は今季から、親会社アルペン(名古屋市)が開発したスノーマット「ピス・ラボ」を導入して「安定した滑走」をアピールする。

 長さの違う2種類の細いプラスチック製の毛がブラシ状に1平方メートルあたり2万本あるマットで、ゲレンデに敷き詰めるとターンしやすくなり、地熱遮断効果もあるという。雪なしで滑れるうえに、積もった雪や人工雪が解けにくくなるということで、10月24日の営業開始から、1000メートルゲレンデの下部300メートルに敷き、それより上には人工雪を積もらせた。

 野島浩久副支配人は「雪が解けやすいリフト周りに使えば、雪をかき集める必要もなくなり、従業員がリフト運行の安全にこれまで以上に目を向けられる」と期待する。

写真

 今季は高速道路の自動料金収受システム(ETC)土日祝日1000円効果も予想される。マイカー利用客あっての好調だが、スキー場関係者が最も心配するのが、交通安全。雪が少なくなったとはいえ、ここは積雪地帯。岐阜県スキー場連絡協議会事務局となっている高鷲観光協会の鷲見繁也事務局長は「チェーンなど雪が降ることへの備えは決して怠らないで」と呼び掛けている。

 

この記事を印刷する

広告
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ