両者の“神経戦”は前日の調印式から続いていた。何度も王者をにらみつける亀田。しかし内藤は視線を完全に無視して計量会場を離れた。
「(内藤は)1回だけちらっと見て、目ぇそらしたやろ」と亀田。試合を盛り上げたいと言いながら、自分の“挑発”に乗ってこない王者を「プロやないわな。心に余裕がなかったらあかんで」とこき下ろした。
「あんまり見ないようにしていた。おれはおれのペースがあるんでね」と内藤はさらり。前日の調印式では硬さが見えたが、この日は会見が亀田と別々に設定されたこともあり、「計量が終わったしね。相手も近くにいないから」と、表情には余裕がうかがえた。
6度目となる防衛戦に「今から気合が入りすぎてもダメ」と、あくまで自然体。「(亀田を)強豪だと思って、リングの上で、いい殴り合いをするだけ」と語る。
2階級制覇を目指す亀田は「今までの試合で一番落ち着いているし、自信もある」と話し、「おれは挑戦者らしく闘ってベルトを巻くよ」。計量でははかりの上で二の腕の筋肉を誇示するパフォーマンスも見せた。
両者が“らしさ”を示した注目の一戦。2万人を飲み込んだ会場で、いよいよゴングが鳴る。