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【格闘技】

興毅が変だ 口撃封印 「ですます」調

2009年11月28日 紙面から

マスクをして、記者の質問に答える亀田興毅(右)。隣は立会人のウイシー氏。左から二人目は内藤=東京都文京区の後楽園飯店で(久野功撮影)

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◇WBC世界フライ級調印式

 こんな興毅なんて見たことない!?

 決戦を前にした亀田興毅(23)=亀田=に“異変”が起きた。27日は王者・内藤大助(35)=宮田=と都内で行われた調印式に出席。報道陣の質問に「ですます調」の丁寧語で答えるガチガチ会見を披露すると、メンチ切りのパフォーマンスにも失敗。会見中には「フェアな戦いをしましょう」と呼びかける変ぼうぶりだった。因縁の対決を前に、この日は恒例のツーショット撮影が中止になるほどのピリピリムード。異例ずくめの調印式は、嵐の前触れか−。

 余裕か、それとも因縁対決を前にビビッたのか。会見に臨んだ興毅がひょう変だ。マスクを着けて登場すると、報道陣の質問に丁寧な口調で「特に何もありません」を連発。いつもと全く違う雰囲気を漂わせた。

 興毅の記者会見といえば、関西弁でまくし立てながら“口撃”。物おじしない態度で対戦相手を挑発してきた。ときには絶妙なダジャレをかまして会場を笑いの渦に巻き込むなど、やりたい放題。世界戦で2度戦ったランダエタとの場外戦でも、持ち前のド迫力で会見場を亀田色に染めた。

 その男が「特にありません」と言うこと自体、緊張している証拠だろう。2カ月前の記者会見では3回KOを宣言した勢いはどこへやら。「自分のボクシングをするだけ」と得意のビッグマウスを封印。揚げ句の果てには「世界戦にふさわしくフェアな試合をしましょう」と、らしくないコメントで会見を締めくくり。得意のメンチ切りも、会場を後にする内藤の後ろ姿をじっとにらめつけるだけで終わった。

 それでも、記者会見後に興毅らしさを取り戻したのはさすが。「(内藤は)ナーバスになっている。緊張したら、えぇー結果はでぇーへんよ」と上から目線で王者をこき下ろし。返す刀で「もう、チャンピオンになった気分。もう、ベルト腰に巻いてるよ」とビッグマウスを全開に。メンチ切り不発については「一回、目を合わせたら(内藤が)逃げた。乗ってけぇーへんし、根性ないわ」と最後は亀田節も復活させた。

 内藤−大毅戦から2年−。因縁の対決と言われたタイトル戦は、今後のフライ級戦線の行方を担う天下分け目の大決戦となる。興毅は「何が起こっても勝つのはオレです」。強気の姿勢で去っていったが、会見のガチガチぶりは気になるところ。嵐の予感がする対戦から、ますます目が離せなくなってきた。 (石川晴信)

 

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