内閣府の古川元久副大臣は27日、国内総生産(GDP)の統計データについて、財務省と経済産業省への発表前の情報提供をやめることを明らかにした。16日に発表された7〜9月期GDP1次速報で、直嶋正行経産相が業界団体の会合でデータを事前に漏らし、批判を浴びたことから、見直すことにした。
データは、発表当日の早朝までに担当部局がまとめ、午前8時半から記者向けにレクチャーする。記者は正式発表の8時50分まで会場からの出入りや通信を禁じられるなど情報管理は厳しい。経済財政政策で関係が深い財務省と経産省には午前7時半にデータを提供していたが、今後は記者向けと同じ8時半とする。
古川氏は「情報漏れを踏まえて管理を徹底する」と説明した。事前にデータを把握できるのは、発表を担当する政務官らごく一部に限られることになる。
GDPは国の最も重要な経済統計の一つで、株式市場などの値動きにも影響を与える。直嶋氏が事前に情報を漏らしたことには「GDP統計の重要さを考えればあまりにも軽率だ」(民間エコノミスト)と強い批判が出ていた。(橋本幸雄)