【玄界灘を越えて】白仁天物語（５）“大逆転”で韓国一の監督へ (3/4ページ)

　「月に向かって打て」というアドバイスで有名な打撃コーチの飯島滋弥は、選手に指導する際、まず選手に気の済むまで自分の意見を述べさせた。その上で自分の伝えたいことを丁寧に説明。信頼関係を築いていった。本塁打王の大杉勝男らを育てたこの名伯楽のやり方を含め、白は“日本流”のチーム作りを韓国で実践しようと決意した。

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　５年のブランクの後、白が球界復帰したのは９０（平成２）年。古巣のＭＢＣが身売りし、衣替えしたＬＧツインズの監督として、前年６位のチームを生まれ変わらせた。

　水原の采配も見事に再現する。シーズン１位の行方を左右する重要な試合で、２点を追う九回に代打の切り札を送り、起死回生の同点二塁打。次打者のサヨナラ打につなげた。「おれはあんたの一打を一生忘れないよ」とベテラン代打の手を握った白は、韓国シリーズでも三星を４タテ。初の韓国一に輝き、監督人生でも屈辱からの大逆転勝利を収めた。＝敬称略