[PR]
ニュース:スポーツ RSS feed
【玄界灘を越えて】白仁天物語(4)14年目の首位打者 円熟味増し「勲章」 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:ヤクルト
白の性格からして、古巣相手に燃えないわけがない。しかも4月5日の開幕戦は、本拠地平和台での日本ハム戦。七回に勝ち越しソロ本塁打、延長十一回にはサヨナラ勝ちを呼び込む内野安打を放つなど、3安打の猛打賞という絶好のスタートを切った。
この年は、3年前に打撃コーチの杉山悟から勧められた左足を上げてタイミングをとる打撃フォームが円熟味を増していた。さらには、かつて先輩の張本から「ボールから逃げちゃいかん。向かっていけ」と言われていたことも実践できた。本塁に近づいて立つことで苦手の外角球を真ん中の絶好球にして、手を出していた外の変化球を余裕を持って見送れたのだ。
好投手と対戦することでも鍛えられた。特に近鉄バファローズの左腕エース、鈴木啓示との勝負には力が入った。ある年、鈴木からまったくヒットが打てなくなった白が「どうしてだろう」と頭を悩ませていると、スコアラーから「鈴木は白さんに1球もストライクを投げていない」と聞かされた。
ボール球をうまく打たされていたと気づき、次の対戦で鈴木の投球を見送ると、やはりすべてボール。「これだ!」。思わず声に出すと、マウンド上の鈴木は「ばれたか」とばかりに照れ笑いしていた。
このニュースの写真
関連トピックス
[PR]
[PR]