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【玄界灘を越えて】白仁天物語(3)兵役と退場劇 「軍人」としてプレー (1/4ページ)
このニュースのトピックス:松井秀喜
自信を持って見送った球だった。近鉄バファローズの捕手、辻佳紀も大きく外れた位置で捕球している。ところが…。「ストライク、アウト!」。球審の露崎元弥が、得意のオーバーアクションでコールした。「どこを見とるんや」。東映フライヤーズでレギュラーをつかんでいた白仁天は露崎を手で突き、退場を宣告されると首投げまで見舞った。2日後、白は告訴されることになる(まもなく取り下げられた)。
昭和45年5月23日。後楽園球場のナイター、東映対近鉄は異様な雰囲気に包まれていた。近鉄の先発は、前年夏の甲子園のアイドル太田幸司(三沢高出)。スタンドに3万2000人のファンが詰めかける中、一回に“事件”は起きた。
実は試合前、気になる報道もあった。「韓国国防部が、白に徴兵検査を受けるよう召還命令を出した」との時事電。白は「兵役は韓国国民の義務。服従する」とコメントしたが、内心穏やかではなかった。召還通知が届けば、これが日本での最後の試合となるかもしれなかった。
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「お前はカッとしやすいから、捕手より外野の方が向いている」。4年前、当時の監督水原茂もそんな白の性格を見抜き、外野手転向を命じていた。強肩とパワフルな打撃を生かすことを考えたのだ。
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