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【国際】IAEA理事会 対イラン核決議採択 賛成多数2009年11月28日 朝刊 【ウィーン=弓削雅人】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会(三十五カ国)は二十七日、イランのウラン濃縮施設の建設停止などを求めた国連安全保障理事会の常任理事五カ国とドイツが提出した決議案を賛成多数で採択した。イランの核開発問題でのIAEA決議は二〇〇六年二月以来。 決議案は、イランがIAEA協定に違反して未申告のまま同国中部コム近郊でウラン濃縮施設を着工したことに「深刻な懸念がある」と指摘。同施設の即時停止と、ほかに未申告の核施設建設がないことを証明することに加え、疑惑が残る他の施設の査察など情報提供への全面協力も求めた。出席した三十四カ国のうち二十五カ国が賛成、ベネズエラなど三カ国が反対し六カ国が棄権した。 国連の決議にも反してウラン濃縮を続け、核兵器開発の疑念が解消されないイランに対して国際圧力が強まった。経済制裁強化の可能性も高まっている。 決議案採択後、米国は「イランは国際的義務を果たし、透明性を高めることで平和利用を証明するべきだ」とのコメントを発表。イランはソルタニエIAEA担当大使が理事会で「政治的な決定で平和利用を目指すイランの原子力政策を妨げるのは相互不信を招く」などと反発した。 イランは、備蓄ウランの国外での再加工計画に関するIAEA草案への同意も拒み続けている。今月末で退任するIAEAのエルバラダイ事務局長は二十六日の理事会冒頭の演説で、イランに対して同じイスラム諸国で関係も良好なトルコなど第三国を経由する案を提示したにもかかわらず受け入れなかったことに「対立を解消するチャンスだったのに失望した」と、強い口調でイランを非難した。
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