イランが軍事演習　イスラエルの攻撃想定

　【カイロ支局】イランのメディアによると、同国軍と革命防衛隊は２２日、５日間の日程で、仮想敵国であるイスラエルによる核施設攻撃を想定した大規模な軍事演習を開始した。イランの核開発をめぐり米欧で高まっている制裁強化論を牽制（けんせい）するとともに、国内外に防衛力を誇示する狙いがあるとみられる。

　演習は、国土の３分の１以上にあたる約６０万平方キロの広範囲で実施。実験用重水炉建設が進む西部アラクや、ウラン転換施設建設が進む中部イスファハンなども範囲に含まれている。

　戦闘機による偵察や攻撃があった場合の迎撃訓練のほか、革命防衛隊傘下の民兵組織バシジも動員した部隊間の連携強化のための訓練が行われているという。

　イランをめぐっては、核兵器開発を疑うイスラエルが核施設空爆も辞さない構えを見せており、両国間での緊張が高まっている。