1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:20:17.43 ID:MuqBCsd40
「あら、おいしそうね」
真紅はそういうと、読みかけの本を閉じてテーブルについた。
「早く食べたいのー」
絵を描いていた雛苺も、クレヨンや画用紙をそのままにして走ってくる。
翠星石は、それを見ながら嬉しそうに呟いた。
「いやしいやつらですねぇ。すぐに切り分けてやるから待つですぅ」
そう言うと、生クリームたっぷりのケーキをテーブルに運ぶ。
そこに、ペタペタとスリッパの音をさせながらJUMがやってきた。
3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:24:52.51 ID:MuqBCsd40
「あら、JUM。いいタイミングで来たわね」
「おいおい、僕をほったらかしにして優雅にお茶の時間か?」
口ではそう言いながらも、JUMは別に気を悪くした様子はない。
「JUM〜。早くここに来てすわるのよー」
雛苺が、自分の隣の椅子をバンバン叩く。
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:28:43.64 ID:MuqBCsd40
「ごめんですぅ、JUM。ケーキを切り分けてから呼びにいこうと思ってたですが・・・」
「いや、気にしなくていいよ」
翠星石が申し訳なさそうに言う。
その、JUMに気をとられた一瞬、足元への注意がお留守になっていた。
ズルリ
「あ」
「あ」
「あ」
「あぁーっ!」
なんという運命のいたずらか。
翠星石の足元に、雛苺が使っていたクレヨンが転がっていた。
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:32:18.98 ID:MuqBCsd40
スリッパの裏側はころころとクレヨンの上を滑り、
本来ブレーキがかかるはずだった地点よりも数センチ先へ、
予想以上の速度で翠星石の足を運んでいった。
予定とは違う動きをした体についていけず、翠星石は大きくバランスを崩した。
天と地がいれかわり・・・要するにずっこけた。
7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:36:59.33 ID:MuqBCsd40
ガッシャーン。
大きな音を立てて、皿が割れる。
ケーキはその上には存在していなかった。
転んだ勢いで、皿の上から飛び出したケーキは・・・
「うう・・・痛いですぅ・・・」
「あ」
「あ」
「あ」
「え?」
ベチャ
「あ」
翠星石の頭の上に不時着した。
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:40:06.98 ID:MuqBCsd40
頭の上に両手をやり、感触を確認する。
ふわふわのスポンジとペタペタしたクリーム。
紛れもなく、ついさっき完成したばかりの、手作りケーキ。
「うぁーっ!!?」
翠星石が絶叫した。
「おい、大丈夫か!?」
JUMがかけよる。
「翠星石、白濁まみれなのー」
「馬鹿なこと言ってる場合じゃないのだわ。雛苺はタオルを取ってきて頂戴。私はお皿を直しておくから」
「ああ、頼む」
雛苺が、タオルを取りにいくのを見届けて、JUMは翠星石に向き直った。
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:43:37.88 ID:MuqBCsd40
「ああ・・・せっかくのケーキが台無しですぅ・・・」
呆然と両手を見つめながら、翠星石が言う。
「おい、怪我とかないか?ちょっと手を見せてみろ」
「あ・・・」
少々強引に、JUMが翠星石の腕をつかんでひきよせる。
13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:48:26.89 ID:MuqBCsd40
「お皿は直ったのだわ。JUM、雛苺が戻ったらタオルで・・・」
皿の修理を終え翠星石のほうを向いた真紅は、そこでフリーズした。
パクッ
『っ!?』
真紅の目に飛び込んできたのは、翠星石の指を咥えるJUMの姿だった。
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:52:17.99 ID:MuqBCsd40
翠星石は混乱していた。
JUMに腕をつかまれたのは、怪我がないか見るためだったはず。
なのに今、翠星石の親指がJUMの口の中に・・・。
「はぅあ!?///」
混乱の渦に巻き込まれている間にJUMは親指を舐め終わり、残りの四本を一度に口の中に入れていた。
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:54:44.86 ID:MuqBCsd40
指先に意識が集中する。
JUMの舌が、指の腹をなでる。
舌のざらざらした突起が軽く触れるたび、背筋にゾワゾワとした、えもいわれぬ感覚が広がる。
まるで生き物のように指の間を自由自在に蠢く感触に、全身が熱くなる。
チュポンッ
「ひゃあぅっ!」
軽く吸引しながら指を引き抜く。
口から離れる一瞬、指先の一点にのみ生まれた、名残を惜しむような熱。
19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 02:58:47.21 ID:MuqBCsd40
「はあ・・・はあ・・・」
自然に呼吸が荒くなる。
ゾワリ。
不意に背中から脳天まで、冷たい稲妻が走った。
ペロリ
JUMの舌が、翠星石の手のひらの窪みを滑っていた。
JUMの口の中で生まれた、芯まで溶かし尽くすような感触とはまた違った、表面だけを流れる感触。
一舐めごとに思考能力が崩れていく。
21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:02:43.12 ID:MuqBCsd40
「はうぅ・・・///」
翠星石は、もうJUMを見ていなかった。
とろりとうるんだ瞳が、どこか遠くを見ている。
パクリッ
「ふおっ!?」
再び翠星石の目に光が戻る。
JUMが、今度は翠星石の左手をまるごと、口の中に入れていた。
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:07:57.55 ID:MuqBCsd40
「はぁっ・・・もう・・・やめ・・・///」
翠星石の声など聞こえぬように、JUMは舌を動かす。
親指の腹から人差し指の腹、そして中指・・・・・・。
指の間から指の背に舌を回し、関節部分を擦る。
指の付け根を一撫でし、手のひらの窪みでするすると回る。
「はんっ・・・ひゃ・・・あぅぁ・・・」
味蕾の一粒一粒、上あごのでこぼこの一段一段、全てが手に刺激を与えてくる。
29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:10:22.18 ID:MuqBCsd40
チュルリ
JUMが、翠星石の手の拘束を解いた。
そして、じっと翠星石の顔を見つめる。
「・・・クリーム、顔にもついてるな」
『・・・え?』
真紅と翠星石、二人同時にもらした声は、むなしく茶の間の天井に消えていった。
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:12:25.16 ID:MuqBCsd40
ググッとJUMの顔が近づいてくる。
しかし、金縛りにでもあったように翠星石は動けない。
ツツツ・・・と、JUMの舌が翠星石のほほから生クリームを削り取っていく。
「・・・甘くて美味しいよ、翠星石」
JUMが、初めて翠星石の目を見てそう囁いた。
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:15:33.12 ID:MuqBCsd40
「真紅〜、タオル持ってきたのよー」
そのとき、タオルを見つけた雛苺が戻ってきた。
「・・・はぁっ!?そうだわ、固まってる場合ではないのだわ!」
惚けたように見ていただけだった真紅が、思考力を取り戻した。
雛苺からタオルをひったくるように奪うと、JUMを蹴り飛ばして翠星石にタオルをかける。
「いてぇ!」
「JUM!私達は翠星石をお風呂に入れてくるのだわ!その間に床のケーキを片付けておきなさい!」
真紅はそう言うと、ドレスについたケーキのスポンジを、落ちないように丁寧にとり始める。
「大丈夫、翠星石?立てるかしら?」
「・・・ダメですぅ、腰が抜けたですぅ///」
>>32
ごめんなさい、サービスタイムの終了ですw
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:19:17.86 ID:MuqBCsd40
「しょうがないわね。ドレスが汚れるけど・・・貴女のと一緒に洗ってもらえばいいわ。肩につかまりなさいな」
「うう・・・さんきゅーです、真紅」
「雛苺。貴女も手伝いなさい」
「あいよなのー」
「JUM。しっかり掃除しておくのよ」
「人を蹴り飛ばしておいてその態度・・・はぁ、わかったよ」
浴室に向かう三人を尻目に、JUMはケーキの残骸を拾い始めた。
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:21:35.60 ID:MuqBCsd40
「まったく・・・さっきのJUMは、いったい何だったのかしら?」
「うう・・・思い出しても死にたくなるくらい恥ずかしかったですぅ・・・///」
「翠星石、耳まで、まっかっかなのよー」
三人揃ってドレスを洗濯機に放り込む。
「あらら、せっかくの綺麗な髪がクリームまみれだわ。これは本格的に洗わないと駄目ね」
「シャワーだけじゃ駄目なの?」
「クリームの油分でベタベタになるですよ。せっかくだからきっちり洗うことにするですぅ」
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:24:10.35 ID:MuqBCsd40
「あ」
「真紅、どうしたの?」
「なんですか?尿意でも催したですか?」
「誇り高き薔薇乙女はトイレなど行かないのだわ。そんなことよりももっと重要なことなのだわ」
「?」
「・・・着替えを用意しておくのを忘れたのだわ」
「!!!」
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:25:40.07 ID:MuqBCsd40
「とりあえず、タオルで事無きを得たのだわ」
「何枚も無駄に使ったから、きっとのりが怒るのー」
「うっ・・・ま、まあ、あとでJUMにも一緒に謝ってもらうですぅ」
着替えを忘れた三人は、タオルを腰に巻き、その上から胸に巻き、さらに肩にもかけて露出を最大限減らそうとしていた。
「さあ、いそいでJUMの部屋に着替えを取りにいくわよ」
こそこそと移動を始める。
41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:26:43.23 ID:MuqBCsd40
「ひひひ。ちょっとだけ、JUMの惨めな掃除姿を見せていただくとするですぅ」
「ちょっと、およしなさいな」
翠星石が、扉の影から茶の間を覗く。
床に四つんばいになるJUMの後姿が見えた。
だが、その様子がどこかおかしい。
「JUM、床に顔をくっつけてるのよ。土下座の練習なの?」
雛苺がそうきいてくる。
「いや、このタイミングで土下座の練習なんて・・・」
首をかしげる三人の耳に、JUMの声が飛び込んできた。
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:28:59.40 ID:MuqBCsd40
「甘い・・・甘くて美味しい・・・甘露・・・甘露・・・」
『!?』
狂ったように呟くJUMは、床をべろべろと嘗め回している。
「ちょっとJUM!?あなた何を・・・」
たまらず真紅が飛び出す。
雛苺と翠星石も後に続く。
飛び散っていたはずのケーキの破片は、一つ残らず綺麗に片付けられていた。
だが、周囲に、あるはずの掃除道具・・・雑巾は見当たらなかった。
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:33:09.65 ID:MuqBCsd40
「!?翠星石!」
「あいよ、ですぅ!スィドリーム!!!」
床から伸びたツタが、JUMの四肢を絡め取る。
「甘味・・・糖分・・・」
「雛苺!」
「うぃ!ヒナちょーなっこー、なのー!」
雛苺の拳が、的確にJUMの鳩尾をえぐる。
「おぶぅっ!?・・・はっ、なんだこれ!?僕はどうしてこんな状態に?」
「・・・JUM、あなた何も覚えていないの?」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:35:01.45 ID:MuqBCsd40
「ああ・・・そうだ、翠星石」
ツタに拘束されたまま、JUMが呼びかける。
「何ですか?」
「ケーキ、うまかったゼ♪思わず残さず食っちまったゼ♪」
ビシッ
やたらキレよく親指を立てながらJUMが言う。
翠星石は、無言のまま半歩後ろにさがった。
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:36:46.52 ID:MuqBCsd40
「けど・・・」
不意に顔を伏せ、声のトーンを落とす。
「けど?けど、何?」
真紅がJUMの言葉を反復して問い返す。
「甘味が・・・糖分が・・・糖分がまだたりねぇんだよぉぉぉぉ!!!」
唐突にJUMが暴れだす。
「糖分!甘味!!!」
ミリミリとツタが悲鳴を上げる。
「なんて力ですか!チビ苺!台所からザラメ取ってくるですぅ!!!」
「うぃ!!!」
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:40:30.00 ID:MuqBCsd40
「ふう、少し落ち着いたようね」
「だけど、ザラメを舐めつくしたらまた暴れだすに決まってますぅ」
「とか言ってるうちにもう無くなってるの」
「な!?なんてペース・・・JUM、あなた糖尿になりたいの!!?」
「甘いものが食べられるなら、命なぞいらん!」
JUMが、吼える。
「くっ・・・このままでは駄目なのだわ。根本的なところを解決しないと・・・」
51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:44:08.26 ID:MuqBCsd40
「まだか!?次の甘味はまだか!?」
「うう・・・怖い・・・」
「真紅!チャイナマーブルがあったですぅ!これなら結構長い間・・・あれ、泣いてるですか?」
「うわぁぁん、あのJUM怖いよぉ、おねぇちゃああああん!!!」
「うわあ、飛びつくなですぅ!!!あ・・・ツタが・・・」
真紅に気を取られ、翠星石の制御を離れたツタがJUMに引きちぎられる。
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:50:22.47 ID:MuqBCsd40
「それをよこせええええええ!!!」
「ふぎゃあああああああああ!!!こっちくんなですぅ!!!!!」
引きこもりとは思えない俊敏な動きで、JUMが翠星石の手からチャイナマーブルを奪い取る。
袋を口にくわえて、蛍光灯に飛びつくと逆さにぶら下がった。
片手で器用にジップロックをあけると、長い舌で袋から一粒のチャイナマーブルを引きずり出す。
「甘味・・・いただきます!」
56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:52:51.96 ID:MuqBCsd40
舌がしゅるりとJUMの口の中に戻る。
チャイナマーブルがカラコロと転がって歯に当たる音が、異様に静かになった茶の間の空気を揺らす。
「・・・至福・・・・・・」
JUMの目がとろけるように閉じられていく。
57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 03:56:31.00 ID:MuqBCsd40
「うう・・・今のうちですぅ。真紅、落ち着いたですか?」
「ひぐっ・・・うぐっ・・・おねぇぢゃあああん・・・」
「よしよし、怖くない怖くない・・・」
翠星石が真紅の背中をやさしく撫でる。
興奮していた真紅も、徐々に落ち着きを取り戻していった。
59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:02:06.38 ID:MuqBCsd40
首周りを正しながら真紅が言った。
「取り乱してしまって悪かったのだわ///」
「落ち着いてよかったです。今のうちに、JUMがああなってしまった原因を考えるですぅ」
力強く頷く真紅。
だが、すぐ不安そうに問いかける。
「でも、そんな悠長にしゃべっていていいのかしら・・・」
「大丈夫ですぅ。チャイナマーブルは硬いから、やたら長持ちするですぅ」
「けれど・・・」
「たとえ噛んでも、あの硬さなら歯のほうが折れるです」
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:06:46.69 ID:MuqBCsd40
「それじゃあ、翠星石の心当たりを言うですぅ」
今まで浮かべていた優しいお姉ちゃんスマイルをほどいて、真剣な表情を浮かべる。
「ええ、お願いするわ」
真紅も同じく真剣な表情で、翠星石の顔を見つめる。
「あれはきっと・・・翠星石のケーキのせいです!!!」
「へ?」
63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:09:35.04 ID:MuqBCsd40
真紅の顔に一瞬驚きの色が浮かんだものの、すぐに険しい表情に変わる。
「翠星石・・・あなたまさか、ケーキの中にクヌソなんて入れたわけじゃ・・・!」
「まさか!そんなことはしねぇですよ」
あわてたように、顔の前で手をぷるぷると振る。
「ただ、翠星石のケーキがあまりに美味しすぎて、JUMの中に眠っていた甘党の血が目覚m」
「いったいなぜなのかしらねぇ」
「ちょっと真紅!翠星石の推理がまだ途中ですよ!遠い目をするなですぅ!!!」
64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:14:57.98 ID:MuqBCsd40
「もっと科学的に根拠のある推理をするのだわ」
「ムキーッ!非科学の塊に言われたくはねぇです!」プンスカ
さっきまで混乱していたとは思えない冷静な真紅の突っ込みに、むくれる翠星石。
「少し静かにして頂戴。今、ちょっと思いついたことがあるのだわ」
真紅の頭の中に、先ほど読んでいた本に書かれていたことが、流星の如く閃いていた。
【頭を使うと糖分が欲しくなる】
66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:21:07.30 ID:MuqBCsd40
「そうよ、そうよ、きっとそうなのだわ。ねぇ翠星石」
突然興奮しだした真紅。
親指を立てたJUMを見るのと同じ目で真紅を見る翠星石。
「な、なんですか?」
「JUMは昨日何をしていた?」
「と、図書館に勉強しに行ってたですぅ・・・」
「今日の午前中は?」
「部屋で勉強していたですぅ」
「ほら、やっぱり!!!」
「何がやっぱりなのかを言え、ですぅ!!!」
67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:24:12.99 ID:MuqBCsd40
「あ、ああ、ごめんなさい」
気まずさを隠すようにコホンとひとつ、小さく咳払いすると、真紅は説明し始めた。
とは言っても、そんなに科学的な話でもない。
「いいこと、翠星石。人間は頭を使うと糖分が欲しくなるの」
「ええ?それは初耳ですぅ」
「JUMは昨日も今日も勉強し続けていた・・・。脳を酷使しすぎたのね」
「でも、でも、最初はそんな素振りはまったくなかったですぅ」
68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:25:43.32 ID:MuqBCsd40
「それは・・・さっき貴女が言ったことが半分正解なのだわ」
「つまり、翠星石の至高のケーキのせいでJUMの眠っていた甘t」
「貴女のケーキの糖分が呼び水になったのね、きっと」
「だから、翠星石がまだしゃべってる途中ですぅ!!!」
「そうと決まれば、やるべきことはただ一つ。JUMが満足するまで糖分を与え続けるのだわ」
「無視すんなですぅ!」
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:32:22.06 ID:MuqBCsd40
怒る翠星石をちらりと見やって、真紅が言う。
「怒ってる暇があるなら、急いで甘いものを探すのだわ。お、ね、え、ちゃん?」
「むきー!馬鹿にしてるですか!」
「馬鹿にしているわけではないわ。JUMがアレを食べ終わるまでに新しい糖分を探しておかないと」
「その点は大丈夫ですぅ。チャイナマーブル一袋あれば余裕で2時間くらいはもつですよ」
淡々と言ってくる真紅に対して、腰に手を当てて、少し誇らしげに翠星石が言う。
「あれは物凄く硬いですからね。一気に食うのは無理のはずです」
そう言った途端・・・
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:33:06.52 ID:MuqBCsd40
ガリッ・・・ボリッ・・・ボリッ・・・
頭上から、今一番聞きたくない音が降ってきた。
おそるおそるJUMを見上げる二人。
「甘いものって、お〜いし〜いねぇ〜♪」
空になった袋を逆さに振りながら、JUMがにこやかに笑顔を浮かべていた。
砕けたチャイナマーブルが擦れ合う、シャリシャリという音が口元からこぼれている。
『ひぃぃ!!!』
真紅と翠星石は、思わず抱き合った。
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:39:46.02 ID:MuqBCsd40
「あっまいっものっ、あっまいっものっ。・・・そういえば、翠星石はさっき甘かったよねぇ」
JUMの眼が、妖しく光った。
ジロジロと、翠星石の頭の先から爪先までをなめる。
「ひやぁぁぁ、またですかぁ・・・」
「・・・翠星石、苦しいのだわ」
ついさっきJUMに手を舐められたことが脳裏をよぎり、真紅を抱く腕に力がこもる。
JUMの顔が、一層大きくほころんだ。
「い・た・だ・き・ま〜す♪」
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:48:04.74 ID:MuqBCsd40
『いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
天井から飛び降りてくるJUM。
互いに抱き合っているため、思うように身動きが取れない真紅と翠星石。
天井から床までの2m強の距離を落下してくるJUMの動きが、コマ送りのように感じられた。
紅い舌が、チロチロと口を出入りしている。
JUMの眼鏡に、怯える二人の姿が映っているのがはっきりと見える。
視界の端から、緑色のものが近づいてくる・・・。
「・・・緑色?」
疑問符が、思わず口をついて出た。
「苺轍!!!」
直後に雛苺の声が、茶の間に響き渡る。
77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 04:57:09.07 ID:MuqBCsd40
JUMの身体が、空中で不自然な形で静止していた。
全身が、緑色のツルでぐるぐる巻きにされている。
「間に合ってよかったのよー」
そう言いながら雛苺が扉の陰から現れた。
「あ・・・そういえばチビ苺のことをすっかり忘れてたですぅ」
「た、助かったのだわ雛苺」
78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:04:15.57 ID:MuqBCsd40
「あら、そのビンは?」
「これはハチミツなの。JUMに食べさせてあげるの」
雛苺は、大きな蜂蜜のビンを見つけてきていた。
JUMにしこたま糖分をとらせようとしている真紅たちには、最高の贈り物である。
「ちょうどよかったですぅ。これから、JUMが満足するまで甘いものを食わせる予定だったですぅ」
「そうね。あんなものを飲むなんて考えただけで胸焼けがするけれど・・・雛苺。それをこっちに持ってきて頂戴」
「うぃ!それにしてもJUM、さっきから甘味甘味うるさいのよ」
「ハヂミヅゥゥゥゥ!!!」
80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:10:22.92 ID:MuqBCsd40
JUMの雄叫びを聞いて、真紅はフゥと、小さなため息をつく。
「ザラメ2kgとチャイナマーブル一袋を食べてまだあのテンション・・・どれだけ糖分が必要なのかしら」
「翠星石のケーキも丸々一個分食べきってるですぅ」
「ハチミツの他にも何か探しておかないといけないのだわ」
そう言うと、今まさに蜂蜜を運んでくる雛苺のほうを見た。
雛苺は、自分の身の丈ほどもある大きなビンを頭の上にのせ、ふらふらと真紅たちのほうに歩いてくる。
のこり数歩のところで、雛苺はその歩みを止めた。
「?どうしたの雛苺。ここまで持ってきて頂戴」
「これ重いのー。真紅ー、パスなのよー」
「え?」
81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:13:36.88 ID:MuqBCsd40
「えいっ、なの!」
4kgはありそうなビンが、軽々と宙を舞う。
が。
「あ、なのー」
「あ、ですぅ」
「あ、だわ」
パカン、という間の抜けた音を立てて。
ビンの蓋が。
外れた。
83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:16:44.11 ID:MuqBCsd40
ベトリ。
真紅と翠星石は、頭から蜂蜜をかぶってしまった。
半透明の琥珀色をした粘りのある液体が、髪からほほを伝い、ゆっくりと全身を流れ落ちていく。
一瞬前まで蜂蜜に注がれていたJUMの熱のこもった視線を、今度は二人が感じていた。
85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:22:25.70 ID:MuqBCsd40
ゴロリ、と、空になったビンが虚しい音を立てる。
ひしひしと肌で危険を感じながら、真紅と翠星石はあることを考えていた。
「・・・ねぇ、翠星石。私ひとつ思うことがあるのだけれど、言ってみてもいいかしら?」
「・・・奇遇ですね、翠星石も思ってることがあるです。けど、真紅に先に言わせてあげるです」
「・・・別にここまで運ばせなくても、苺轍で直接JUMにハチミツを飲ませればよかったんじゃなくて?」
「・・・またまた奇遇ですね。翠星石もそう思ってたですよ」
ブヂブヂと苺轍があげる悲鳴に聞こえないふりをしながら、二人は自然と寄り添っていく。
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:25:40.68 ID:MuqBCsd40
バヂィッ!!!
苺轍が弾けとんだ。
『んにゃあああああああああああああ!!?』
両手の指と指を絡ませ、さらに密着する二人。
「甘露ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
そこに飛び掛るJUM。
87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:29:48.97 ID:MuqBCsd40
「いやあああ!!!うなじは!うなじはやめるですぅ!!!」
「ダメダメダメダメ!!!鎖骨にはもう溜まってないのだわ!!!」
「ひぃぃ!み、耳をはむはむするなですぅ!!!」
「ひゃん!!!おへそ!そこはおへそ!!!たすけておねえちゃぁぁん!!!」
「甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露・・・・・・」
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ・・・
雛苺だけがその輪の中からはずれていた。
88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 05:37:01.94 ID:MuqBCsd40
〜翠星石〜
「あうう・・・ですぅ・・・」
JUMの舌が、自由自在に翠星石の身体を蹂躙する。
耳朶をはっていた舌が、いつの間にかアゴと首の境界を舐めている。
ゆっくりと腋から二の腕のラインを、ざらざらとした感触が移動していく。
肋骨の窪みに軽く吸い付きながら、舌と歯が、コツコツと軽い衝突の刺激を与えてくる。
「はぁう・・・」
翠星石の乳房が、JUMの口の中に呑みこまれる。
口の中で、舌が縦横無尽に動き回る。
べったりと舌全面がはりついたかと思えば、硬く尖らせた先端が硬くとがった蕾の周囲をやさしく撫でる。
しかし、決定的な部分にはけして刺激は与えられない。
「んむっ・・・」
JUMの舌が、ゆっくりと翠星石の唇をくすぐる。
唇同士ではない、変則的な接吻。
反射的につぐんだ口が、知らず開いていく。
「ん、はぁっ・・・」
しかし、求めるように突き出した翠星石の舌には触れることなく、JUMの舌は頬を滑っていく。
「もう・・・だめですぅ・・・これいじょうは・・・がまん・・・」
耐え切れなくなった翠星石は、JUMにすがりつくと、その身体についた蜂蜜を舐め取り始めた。
「ん、ぷはぁっ・・・JUM・・・」
そして、口を大きく開き、舐め取った蜂蜜を少し零してみせる。
すぐさま蜂蜜に反応したJUMが、翠星石の口を自らの口でふさぐ。
舌と舌とが絡み合い、互いに貪りあう。
いつまでも、いつまでも・・・・・・
106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 06:45:23.06 ID:MuqBCsd40
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「あら、おいしそうね」
真紅はそういうと、読みかけの本を閉じてテーブルについた。
「早く食べたいのー」
絵を描いていた雛苺も、クレヨンや画用紙をそのままにして走ってくる。
翠星石は、それを見ながら嬉しそうに呟いた。
「いやしいやつらですねぇ。すぐに切り分けてやるから待つですぅ」
そう言うと、生クリームたっぷりのケーキをテーブルに運ぶ。
そこに、ペタペタとスリッパの音をさせながらJUMがやってきた。
「あら、JUM。いいタイミングで来たわね」
「おいおい、僕をほったらかしにして優雅にお茶の時間か?」
口ではそう言いながらも、JUMは別に気を悪くした様子はない。
「JUM〜。早くここに来てすわるのよー」
雛苺が、自分の隣の椅子をバンバン叩く。
「ごめんですぅ、JUM。ケーキを切り分けてから呼びにいこうと思ってたですが・・・」
「いや、気にしなくていいよ」
翠星石が申し訳なさそうに言う。
その、JUMに気をとられた一瞬、足元への注意がお留守になっていた。
ズルリ
「あ」
「あ」
「あ」
「あぁーっ!」
なんという運命のいたずらか。
翠星石の足元に、雛苺が使っていたクレヨンが転がっていた。
スリッパの裏側はころころとクレヨンの上を滑り、
本来ブレーキがかかるはずだった地点よりも数センチ先へ、
予想以上の速度で翠星石の足を運んでいった。
予定とは違う動きをした体についていけず、翠星石は大きくバランスを崩した。
天と地がいれかわり・・・要するにずっこけた。
ガッシャーン。
大きな音を立てて、皿が割れる。
ケーキはその上には存在していなかった。
転んだ勢いで、皿の上から飛び出したケーキは・・・
「うう・・・痛いですぅ・・・」
「あ」
「あ」
「あ」
「え?」
ベチャ
「あ」
翠星石の頭の上に不時着した。
頭の上に両手をやり、感触を確認する。
ふわふわのスポンジとペタペタしたクリーム。
紛れもなく、ついさっき完成したばかりの、手作りケーキ。
「うぁーっ!!?」
翠星石が絶叫した。
「おい、大丈夫か!?」
JUMがかけよる。
「翠星石、白濁まみれなのー」
「馬鹿なこと言ってる場合じゃないのだわ。雛苺はタオルを取ってきて頂戴。私はお皿を直しておくから」
「ああ、頼む」
雛苺が、タオルを取りにいくのを見届けて、JUMは翠星石に向き直った。
「ああ・・・せっかくのケーキが台無しですぅ・・・」
呆然と両手を見つめながら、翠星石が言う。
「おい、怪我とかないか?ちょっと手を見せてみろ」
「あ・・・」
少々強引に、JUMが翠星石の腕をつかんでひきよせる。
「お皿は直ったのだわ。JUM、雛苺が戻ったらタオルで・・・」
皿の修理を終え翠星石のほうを向いた真紅は、そこでフリーズした。
パクッ
『っ!?』
真紅の目に飛び込んできたのは、翠星石の指を咥えるJUMの姿だった。
翠星石は混乱していた。
JUMに腕をつかまれたのは、怪我がないか見るためだったはず。
なのに今、翠星石の親指がJUMの口の中に・・・。
「はぅあ!?///」
混乱の渦に巻き込まれている間にJUMは親指を舐め終わり、残りの四本を一度に口の中に入れていた。
指先に意識が集中する。
JUMの舌が、指の腹をなでる。
舌のざらざらした突起が軽く触れるたび、背筋にゾワゾワとした、えもいわれぬ感覚が広がる。
まるで生き物のように指の間を自由自在に蠢く感触に、全身が熱くなる。
チュポンッ
「ひゃあぅっ!」
軽く吸引しながら指を引き抜く。
口から離れる一瞬、指先の一点にのみ生まれた、名残を惜しむような熱。
「はあ・・・はあ・・・」
自然に呼吸が荒くなる。
ゾワリ。
不意に背中から脳天まで、冷たい稲妻が走った。
ペロリ
JUMの舌が、翠星石の手のひらの窪みを滑っていた。
JUMの口の中で生まれた、芯まで溶かし尽くすような感触とはまた違った、表面だけを流れる感触。
一舐めごとに思考能力が崩れていく。
「はうぅ・・・///」
翠星石は、もうJUMを見ていなかった。
とろりとうるんだ瞳が、どこか遠くを見ている。
パクリッ
「ふおっ!?」
再び翠星石の目に光が戻る。
JUMが、今度は翠星石の左手をまるごと、口の中に入れていた。
「はぁっ・・・もう・・・やめ・・・///」
翠星石の声など聞こえぬように、JUMは舌を動かす。
親指の腹から人差し指の腹、そして中指・・・・・・。
指の間から指の背に舌を回し、関節部分を擦る。
指の付け根を一撫でし、手のひらの窪みでするすると回る。
「はんっ・・・ひゃ・・・あぅぁ・・・」
味蕾の一粒一粒、上あごのでこぼこの一段一段、全てが手に刺激を与えてくる。
チュルリ
JUMが、翠星石の手の拘束を解いた。
そして、じっと翠星石の顔を見つめる。
「・・・クリーム、顔にもついてるな」
『・・・え?』
真紅と翠星石、二人同時にもらした声は、むなしく茶の間の天井に消えていった。
ググッとJUMの顔が近づいてくる。
しかし、金縛りにでもあったように翠星石は動けない。
ツツツ・・・と、JUMの舌が翠星石のほほから生クリームを削り取っていく。
「・・・甘くて美味しいよ、翠星石」
JUMが、初めて翠星石の目を見てそう囁いた。
「真紅〜、タオル持ってきたのよー」
そのとき、タオルを見つけた雛苺が戻ってきた。
「・・・はぁっ!?そうだわ、固まってる場合ではないのだわ!」
惚けたように見ていただけだった真紅が、思考力を取り戻した。
雛苺からタオルをひったくるように奪うと、JUMを蹴り飛ばして翠星石にタオルをかける。
「いてぇ!」
「JUM!私達は翠星石をお風呂に入れてくるのだわ!その間に床のケーキを片付けておきなさい!」
真紅はそう言うと、ドレスについたケーキのスポンジを、落ちないように丁寧にとり始める。
「大丈夫、翠星石?立てるかしら?」
「・・・ダメですぅ、腰が抜けたですぅ///」
>>32
ごめんなさい、サービスタイムの終了ですw
「しょうがないわね。ドレスが汚れるけど・・・貴女のと一緒に洗ってもらえばいいわ。肩につかまりなさいな」
「うう・・・さんきゅーです、真紅」
「雛苺。貴女も手伝いなさい」
「あいよなのー」
「JUM。しっかり掃除しておくのよ」
「人を蹴り飛ばしておいてその態度・・・はぁ、わかったよ」
浴室に向かう三人を尻目に、JUMはケーキの残骸を拾い始めた。
「まったく・・・さっきのJUMは、いったい何だったのかしら?」
「うう・・・思い出しても死にたくなるくらい恥ずかしかったですぅ・・・///」
「翠星石、耳まで、まっかっかなのよー」
三人揃ってドレスを洗濯機に放り込む。
「あらら、せっかくの綺麗な髪がクリームまみれだわ。これは本格的に洗わないと駄目ね」
「シャワーだけじゃ駄目なの?」
「クリームの油分でベタベタになるですよ。せっかくだからきっちり洗うことにするですぅ」
「あ」
「真紅、どうしたの?」
「なんですか?尿意でも催したですか?」
「誇り高き薔薇乙女はトイレなど行かないのだわ。そんなことよりももっと重要なことなのだわ」
「?」
「・・・着替えを用意しておくのを忘れたのだわ」
「!!!」
「とりあえず、タオルで事無きを得たのだわ」
「何枚も無駄に使ったから、きっとのりが怒るのー」
「うっ・・・ま、まあ、あとでJUMにも一緒に謝ってもらうですぅ」
着替えを忘れた三人は、タオルを腰に巻き、その上から胸に巻き、さらに肩にもかけて露出を最大限減らそうとしていた。
「さあ、いそいでJUMの部屋に着替えを取りにいくわよ」
こそこそと移動を始める。
「ひひひ。ちょっとだけ、JUMの惨めな掃除姿を見せていただくとするですぅ」
「ちょっと、およしなさいな」
翠星石が、扉の影から茶の間を覗く。
床に四つんばいになるJUMの後姿が見えた。
だが、その様子がどこかおかしい。
「JUM、床に顔をくっつけてるのよ。土下座の練習なの?」
雛苺がそうきいてくる。
「いや、このタイミングで土下座の練習なんて・・・」
首をかしげる三人の耳に、JUMの声が飛び込んできた。
「甘い・・・甘くて美味しい・・・甘露・・・甘露・・・」
『!?』
狂ったように呟くJUMは、床をべろべろと嘗め回している。
「ちょっとJUM!?あなた何を・・・」
たまらず真紅が飛び出す。
雛苺と翠星石も後に続く。
飛び散っていたはずのケーキの破片は、一つ残らず綺麗に片付けられていた。
だが、周囲に、あるはずの掃除道具・・・雑巾は見当たらなかった。
「!?翠星石!」
「あいよ、ですぅ!スィドリーム!!!」
床から伸びたツタが、JUMの四肢を絡め取る。
「甘味・・・糖分・・・」
「雛苺!」
「うぃ!ヒナちょーなっこー、なのー!」
雛苺の拳が、的確にJUMの鳩尾をえぐる。
「おぶぅっ!?・・・はっ、なんだこれ!?僕はどうしてこんな状態に?」
「・・・JUM、あなた何も覚えていないの?」
「ああ・・・そうだ、翠星石」
ツタに拘束されたまま、JUMが呼びかける。
「何ですか?」
「ケーキ、うまかったゼ♪思わず残さず食っちまったゼ♪」
ビシッ
やたらキレよく親指を立てながらJUMが言う。
翠星石は、無言のまま半歩後ろにさがった。
「けど・・・」
不意に顔を伏せ、声のトーンを落とす。
「けど?けど、何?」
真紅がJUMの言葉を反復して問い返す。
「甘味が・・・糖分が・・・糖分がまだたりねぇんだよぉぉぉぉ!!!」
唐突にJUMが暴れだす。
「糖分!甘味!!!」
ミリミリとツタが悲鳴を上げる。
「なんて力ですか!チビ苺!台所からザラメ取ってくるですぅ!!!」
「うぃ!!!」
「ふう、少し落ち着いたようね」
「だけど、ザラメを舐めつくしたらまた暴れだすに決まってますぅ」
「とか言ってるうちにもう無くなってるの」
「な!?なんてペース・・・JUM、あなた糖尿になりたいの!!?」
「甘いものが食べられるなら、命なぞいらん!」
JUMが、吼える。
「くっ・・・このままでは駄目なのだわ。根本的なところを解決しないと・・・」
「まだか!?次の甘味はまだか!?」
「うう・・・怖い・・・」
「真紅!チャイナマーブルがあったですぅ!これなら結構長い間・・・あれ、泣いてるですか?」
「うわぁぁん、あのJUM怖いよぉ、おねぇちゃああああん!!!」
「うわあ、飛びつくなですぅ!!!あ・・・ツタが・・・」
真紅に気を取られ、翠星石の制御を離れたツタがJUMに引きちぎられる。
「それをよこせええええええ!!!」
「ふぎゃあああああああああ!!!こっちくんなですぅ!!!!!」
引きこもりとは思えない俊敏な動きで、JUMが翠星石の手からチャイナマーブルを奪い取る。
袋を口にくわえて、蛍光灯に飛びつくと逆さにぶら下がった。
片手で器用にジップロックをあけると、長い舌で袋から一粒のチャイナマーブルを引きずり出す。
「甘味・・・いただきます!」
舌がしゅるりとJUMの口の中に戻る。
チャイナマーブルがカラコロと転がって歯に当たる音が、異様に静かになった茶の間の空気を揺らす。
「・・・至福・・・・・・」
JUMの目がとろけるように閉じられていく。
「うう・・・今のうちですぅ。真紅、落ち着いたですか?」
「ひぐっ・・・うぐっ・・・おねぇぢゃあああん・・・」
「よしよし、怖くない怖くない・・・」
翠星石が真紅の背中をやさしく撫でる。
興奮していた真紅も、徐々に落ち着きを取り戻していった。
首周りを正しながら真紅が言った。
「取り乱してしまって悪かったのだわ///」
「落ち着いてよかったです。今のうちに、JUMがああなってしまった原因を考えるですぅ」
力強く頷く真紅。
だが、すぐ不安そうに問いかける。
「でも、そんな悠長にしゃべっていていいのかしら・・・」
「大丈夫ですぅ。チャイナマーブルは硬いから、やたら長持ちするですぅ」
「けれど・・・」
「たとえ噛んでも、あの硬さなら歯のほうが折れるです」
「それじゃあ、翠星石の心当たりを言うですぅ」
今まで浮かべていた優しいお姉ちゃんスマイルをほどいて、真剣な表情を浮かべる。
「ええ、お願いするわ」
真紅も同じく真剣な表情で、翠星石の顔を見つめる。
「あれはきっと・・・翠星石のケーキのせいです!!!」
「へ?」
真紅の顔に一瞬驚きの色が浮かんだものの、すぐに険しい表情に変わる。
「翠星石・・・あなたまさか、ケーキの中にクヌソなんて入れたわけじゃ・・・!」
「まさか!そんなことはしねぇですよ」
あわてたように、顔の前で手をぷるぷると振る。
「ただ、翠星石のケーキがあまりに美味しすぎて、JUMの中に眠っていた甘党の血が目覚m」
「いったいなぜなのかしらねぇ」
「ちょっと真紅!翠星石の推理がまだ途中ですよ!遠い目をするなですぅ!!!」
「もっと科学的に根拠のある推理をするのだわ」
「ムキーッ!非科学の塊に言われたくはねぇです!」プンスカ
さっきまで混乱していたとは思えない冷静な真紅の突っ込みに、むくれる翠星石。
「少し静かにして頂戴。今、ちょっと思いついたことがあるのだわ」
真紅の頭の中に、先ほど読んでいた本に書かれていたことが、流星の如く閃いていた。
【頭を使うと糖分が欲しくなる】
「そうよ、そうよ、きっとそうなのだわ。ねぇ翠星石」
突然興奮しだした真紅。
親指を立てたJUMを見るのと同じ目で真紅を見る翠星石。
「な、なんですか?」
「JUMは昨日何をしていた?」
「と、図書館に勉強しに行ってたですぅ・・・」
「今日の午前中は?」
「部屋で勉強していたですぅ」
「ほら、やっぱり!!!」
「何がやっぱりなのかを言え、ですぅ!!!」
「あ、ああ、ごめんなさい」
気まずさを隠すようにコホンとひとつ、小さく咳払いすると、真紅は説明し始めた。
とは言っても、そんなに科学的な話でもない。
「いいこと、翠星石。人間は頭を使うと糖分が欲しくなるの」
「ええ?それは初耳ですぅ」
「JUMは昨日も今日も勉強し続けていた・・・。脳を酷使しすぎたのね」
「でも、でも、最初はそんな素振りはまったくなかったですぅ」
「それは・・・さっき貴女が言ったことが半分正解なのだわ」
「つまり、翠星石の至高のケーキのせいでJUMの眠っていた甘t」
「貴女のケーキの糖分が呼び水になったのね、きっと」
「だから、翠星石がまだしゃべってる途中ですぅ!!!」
「そうと決まれば、やるべきことはただ一つ。JUMが満足するまで糖分を与え続けるのだわ」
「無視すんなですぅ!」
怒る翠星石をちらりと見やって、真紅が言う。
「怒ってる暇があるなら、急いで甘いものを探すのだわ。お、ね、え、ちゃん?」
「むきー!馬鹿にしてるですか!」
「馬鹿にしているわけではないわ。JUMがアレを食べ終わるまでに新しい糖分を探しておかないと」
「その点は大丈夫ですぅ。チャイナマーブル一袋あれば余裕で2時間くらいはもつですよ」
淡々と言ってくる真紅に対して、腰に手を当てて、少し誇らしげに翠星石が言う。
「あれは物凄く硬いですからね。一気に食うのは無理のはずです」
そう言った途端・・・
ガリッ・・・ボリッ・・・ボリッ・・・
頭上から、今一番聞きたくない音が降ってきた。
おそるおそるJUMを見上げる二人。
「甘いものって、お〜いし〜いねぇ〜♪」
空になった袋を逆さに振りながら、JUMがにこやかに笑顔を浮かべていた。
砕けたチャイナマーブルが擦れ合う、シャリシャリという音が口元からこぼれている。
『ひぃぃ!!!』
真紅と翠星石は、思わず抱き合った。
「あっまいっものっ、あっまいっものっ。・・・そういえば、翠星石はさっき甘かったよねぇ」
JUMの眼が、妖しく光った。
ジロジロと、翠星石の頭の先から爪先までをなめる。
「ひやぁぁぁ、またですかぁ・・・」
「・・・翠星石、苦しいのだわ」
ついさっきJUMに手を舐められたことが脳裏をよぎり、真紅を抱く腕に力がこもる。
JUMの顔が、一層大きくほころんだ。
「い・た・だ・き・ま〜す♪」
『いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
天井から飛び降りてくるJUM。
互いに抱き合っているため、思うように身動きが取れない真紅と翠星石。
天井から床までの2m強の距離を落下してくるJUMの動きが、コマ送りのように感じられた。
紅い舌が、チロチロと口を出入りしている。
JUMの眼鏡に、怯える二人の姿が映っているのがはっきりと見える。
視界の端から、緑色のものが近づいてくる・・・。
「・・・緑色?」
疑問符が、思わず口をついて出た。
「苺轍!!!」
直後に雛苺の声が、茶の間に響き渡る。
JUMの身体が、空中で不自然な形で静止していた。
全身が、緑色のツルでぐるぐる巻きにされている。
「間に合ってよかったのよー」
そう言いながら雛苺が扉の陰から現れた。
「あ・・・そういえばチビ苺のことをすっかり忘れてたですぅ」
「た、助かったのだわ雛苺」
「あら、そのビンは?」
「これはハチミツなの。JUMに食べさせてあげるの」
雛苺は、大きな蜂蜜のビンを見つけてきていた。
JUMにしこたま糖分をとらせようとしている真紅たちには、最高の贈り物である。
「ちょうどよかったですぅ。これから、JUMが満足するまで甘いものを食わせる予定だったですぅ」
「そうね。あんなものを飲むなんて考えただけで胸焼けがするけれど・・・雛苺。それをこっちに持ってきて頂戴」
「うぃ!それにしてもJUM、さっきから甘味甘味うるさいのよ」
「ハヂミヅゥゥゥゥ!!!」
JUMの雄叫びを聞いて、真紅はフゥと、小さなため息をつく。
「ザラメ2kgとチャイナマーブル一袋を食べてまだあのテンション・・・どれだけ糖分が必要なのかしら」
「翠星石のケーキも丸々一個分食べきってるですぅ」
「ハチミツの他にも何か探しておかないといけないのだわ」
そう言うと、今まさに蜂蜜を運んでくる雛苺のほうを見た。
雛苺は、自分の身の丈ほどもある大きなビンを頭の上にのせ、ふらふらと真紅たちのほうに歩いてくる。
のこり数歩のところで、雛苺はその歩みを止めた。
「?どうしたの雛苺。ここまで持ってきて頂戴」
「これ重いのー。真紅ー、パスなのよー」
「え?」
「えいっ、なの!」
4kgはありそうなビンが、軽々と宙を舞う。
が。
「あ、なのー」
「あ、ですぅ」
「あ、だわ」
パカン、という間の抜けた音を立てて。
ビンの蓋が。
外れた。
ベトリ。
真紅と翠星石は、頭から蜂蜜をかぶってしまった。
半透明の琥珀色をした粘りのある液体が、髪からほほを伝い、ゆっくりと全身を流れ落ちていく。
一瞬前まで蜂蜜に注がれていたJUMの熱のこもった視線を、今度は二人が感じていた。
ゴロリ、と、空になったビンが虚しい音を立てる。
ひしひしと肌で危険を感じながら、真紅と翠星石はあることを考えていた。
「・・・ねぇ、翠星石。私ひとつ思うことがあるのだけれど、言ってみてもいいかしら?」
「・・・奇遇ですね、翠星石も思ってることがあるです。けど、真紅に先に言わせてあげるです」
「・・・別にここまで運ばせなくても、苺轍で直接JUMにハチミツを飲ませればよかったんじゃなくて?」
「・・・またまた奇遇ですね。翠星石もそう思ってたですよ」
ブヂブヂと苺轍があげる悲鳴に聞こえないふりをしながら、二人は自然と寄り添っていく。
バヂィッ!!!
苺轍が弾けとんだ。
『んにゃあああああああああああああ!!?』
両手の指と指を絡ませ、さらに密着する二人。
「甘露ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
そこに飛び掛るJUM。
「いやあああ!!!うなじは!うなじはやめるですぅ!!!」
「ダメダメダメダメ!!!鎖骨にはもう溜まってないのだわ!!!」
「ひぃぃ!み、耳をはむはむするなですぅ!!!」
「ひゃん!!!おへそ!そこはおへそ!!!たすけておねえちゃぁぁん!!!」
「甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露甘露・・・・・・」
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ・・・
雛苺だけがその輪の中からはずれていた。
「・・・・・・たしか戸棚に黄金糖とカリンのど飴があったの。取ってくるの」
「ひないちご!ひないちご!!!いかないで!たすけてぇ!!!」
「うにゃあ・・・もう、すきにするですぅ・・・」
「甘露甘露・・・」
その後、雛苺がNのフィールドを通って巴の家から持ってきた買い置きの砂糖10kgを食べつくすまで、JUMのバーサークは続いたとさ。
甘いものっていいよね。
おしまい。
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 06:13:09.67 ID:MuqBCsd40「ひないちご!ひないちご!!!いかないで!たすけてぇ!!!」
「うにゃあ・・・もう、すきにするですぅ・・・」
「甘露甘露・・・」
その後、雛苺がNのフィールドを通って巴の家から持ってきた買い置きの砂糖10kgを食べつくすまで、JUMのバーサークは続いたとさ。
甘いものっていいよね。
おしまい。
人がいなくなってから・・・書き込む!
おまけ・はちみつをひっかぶった二人。
ーハチミツ舐め舐め狂乱の宴ー
〜真紅〜
逃げたい。
そのはずなのに、体が思うように動かない。
ぬるぬると滑って、力を思い通りに込めることができない。
「ひゃう!」
JUMの指が、的確にツボをついてくる。
直接的な場所ではなく、ふつうなら、限りなく性的な魅力を持たないはずの場所。
「やめて・・・もうやめてえ・・・」
JUMの手が、腰からゆっくりと上がってきた。
するすると横から前に移動すると、小さいが張りのある乳房をしごく。
「!ああ・・・」
ビクンと体が跳ねる。
その時にはもうJUMの手は、彼の口元に、真紅の体から寄せ集めた蜂蜜を運んでいた。
チュルリと蜂蜜をすする。
「甘露甘露♪」
そう呟くと、今度はくるぶしの辺りから指を這わせる。
力を殆ど込めない軽いタッチに、背中を快感が這い上がってくる。
「はぁぁぁ・・・」
身体の中心に生まれた熱い疼きを感じながら、真紅は快楽に呑まれていった・・・。
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 06:31:19.08 ID:MuqBCsd40おまけ・はちみつをひっかぶった二人。
ーハチミツ舐め舐め狂乱の宴ー
〜真紅〜
逃げたい。
そのはずなのに、体が思うように動かない。
ぬるぬると滑って、力を思い通りに込めることができない。
「ひゃう!」
JUMの指が、的確にツボをついてくる。
直接的な場所ではなく、ふつうなら、限りなく性的な魅力を持たないはずの場所。
「やめて・・・もうやめてえ・・・」
JUMの手が、腰からゆっくりと上がってきた。
するすると横から前に移動すると、小さいが張りのある乳房をしごく。
「!ああ・・・」
ビクンと体が跳ねる。
その時にはもうJUMの手は、彼の口元に、真紅の体から寄せ集めた蜂蜜を運んでいた。
チュルリと蜂蜜をすする。
「甘露甘露♪」
そう呟くと、今度はくるぶしの辺りから指を這わせる。
力を殆ど込めない軽いタッチに、背中を快感が這い上がってくる。
「はぁぁぁ・・・」
身体の中心に生まれた熱い疼きを感じながら、真紅は快楽に呑まれていった・・・。
〜翠星石〜
「あうう・・・ですぅ・・・」
JUMの舌が、自由自在に翠星石の身体を蹂躙する。
耳朶をはっていた舌が、いつの間にかアゴと首の境界を舐めている。
ゆっくりと腋から二の腕のラインを、ざらざらとした感触が移動していく。
肋骨の窪みに軽く吸い付きながら、舌と歯が、コツコツと軽い衝突の刺激を与えてくる。
「はぁう・・・」
翠星石の乳房が、JUMの口の中に呑みこまれる。
口の中で、舌が縦横無尽に動き回る。
べったりと舌全面がはりついたかと思えば、硬く尖らせた先端が硬くとがった蕾の周囲をやさしく撫でる。
しかし、決定的な部分にはけして刺激は与えられない。
「んむっ・・・」
JUMの舌が、ゆっくりと翠星石の唇をくすぐる。
唇同士ではない、変則的な接吻。
反射的につぐんだ口が、知らず開いていく。
「ん、はぁっ・・・」
しかし、求めるように突き出した翠星石の舌には触れることなく、JUMの舌は頬を滑っていく。
「もう・・・だめですぅ・・・これいじょうは・・・がまん・・・」
耐え切れなくなった翠星石は、JUMにすがりつくと、その身体についた蜂蜜を舐め取り始めた。
「ん、ぷはぁっ・・・JUM・・・」
そして、口を大きく開き、舐め取った蜂蜜を少し零してみせる。
すぐさま蜂蜜に反応したJUMが、翠星石の口を自らの口でふさぐ。
舌と舌とが絡み合い、互いに貪りあう。
いつまでも、いつまでも・・・・・・
〜蒼星石〜
「―――という映像があるんだけど、どうする?」
ブハッ
「おおおおおおおおおお、お前、一体どうやってその映像を!!!」
「どうやってって、隠しカメラをちょっとね」
「だだだだだだだダメなのだわ、蒼星石!そのDVDをこちらにわたしなさい!!!」
「えー、どーしよーかなー。僕のことも『おねーちゃん』って呼んでくれたらわたそっかなー」
「そそそそそそそそ蒼星石!!!まさかそれ、誰にも見せたりしてないですよね!!?」
「もちろんだよ。天地神明に誓ってだれにも見せてないよ」
パリーン
「ちょっと真紅ぅ!?なんて卑猥なもんをめぐに見せるのよぉ!!!めぐがびっくりして鼻血出しちゃったじゃなぁい!!!」
「蒼星石ぃぃぃぃ!!!?」
「ごめん、嘘ついた」
「水銀燈だけですよね!?水銀燈にしか見せてないですよねぇ!!?」
「ああ、大丈夫。お父様に誓って、他には見せてないよ」
ドゴーン
「翠星石ぃ!なんて猥雑なものをみっちゃんに見せるのかしらぁ!!?カナも真似させられて、物凄く大変だったかしらぁ!!!」
「蒼星石ぃぃぃぃ!!!!」
「翠星石。人間は汚れないでは生きていけないんだよ」
「お前人形だろがぁぁぁぁ!!!どうせ俺のところにも誰かくるんだろ!?そうなんだろ!!?」
「大丈夫。JUM君は大丈夫」
ピンポーンオジャマシマースバタバタバタ
「桜田君、ちょっといいかしら・・・・」ニコ
「・・・根拠のない慰めをいってごめんよ」
「こえええええ!!!柏葉の微笑、こええええええ!!!!!」
108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/04/26(日) 06:50:51.91 ID:MuqBCsd40「―――という映像があるんだけど、どうする?」
ブハッ
「おおおおおおおおおお、お前、一体どうやってその映像を!!!」
「どうやってって、隠しカメラをちょっとね」
「だだだだだだだダメなのだわ、蒼星石!そのDVDをこちらにわたしなさい!!!」
「えー、どーしよーかなー。僕のことも『おねーちゃん』って呼んでくれたらわたそっかなー」
「そそそそそそそそ蒼星石!!!まさかそれ、誰にも見せたりしてないですよね!!?」
「もちろんだよ。天地神明に誓ってだれにも見せてないよ」
パリーン
「ちょっと真紅ぅ!?なんて卑猥なもんをめぐに見せるのよぉ!!!めぐがびっくりして鼻血出しちゃったじゃなぁい!!!」
「蒼星石ぃぃぃぃ!!!?」
「ごめん、嘘ついた」
「水銀燈だけですよね!?水銀燈にしか見せてないですよねぇ!!?」
「ああ、大丈夫。お父様に誓って、他には見せてないよ」
ドゴーン
「翠星石ぃ!なんて猥雑なものをみっちゃんに見せるのかしらぁ!!?カナも真似させられて、物凄く大変だったかしらぁ!!!」
「蒼星石ぃぃぃぃ!!!!」
「翠星石。人間は汚れないでは生きていけないんだよ」
「お前人形だろがぁぁぁぁ!!!どうせ俺のところにも誰かくるんだろ!?そうなんだろ!!?」
「大丈夫。JUM君は大丈夫」
ピンポーンオジャマシマースバタバタバタ
「桜田君、ちょっといいかしら・・・・」ニコ
「・・・根拠のない慰めをいってごめんよ」
「こえええええ!!!柏葉の微笑、こええええええ!!!!!」
〜雛苺〜
「トゥモエ、うにゅー食べて待ってろって、どっか行っちゃったの・・・」
ハムハムハムハム
「うにゅーおいしーのー」ニパー
お・し・ま・い
機会があればまた今度書いてみたいと思います。
支援ありがとうございました。今度こそ本当に終わりです。
またどこかでお会いできるといいですね。
それではまた!
「トゥモエ、うにゅー食べて待ってろって、どっか行っちゃったの・・・」
ハムハムハムハム
「うにゅーおいしーのー」ニパー
お・し・ま・い
機会があればまた今度書いてみたいと思います。
支援ありがとうございました。今度こそ本当に終わりです。
またどこかでお会いできるといいですね。
それではまた!
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