囁かれる来春の「首相辞任」 菅氏が見すえる「ポスト鳩山」週刊文春11月26日(木) 12時27分配信 / 国内 - 政治最近の菅氏は喧嘩をしない。今年度補正予算案を議論した閣僚委員会で、菅氏が用意した原案には「二・七兆円」と規模を明示していた。これに亀井静香金融担当相が「こんな額では話にならない」とかみつくと、あっさり額を削除した。民主党関係者は「最終的には事業仕分けで浮かせた分を財源に、二・七兆円程度に首相裁定でおさまるのは分かりきっている。泥をかぶるのを避け、鳩山さんに押しつけたのです」と解説する。 政権発足当初、菅氏は自らの部屋を鳩山首相と同じ官邸の五階に置いて「官僚との対決」に意欲満々だった。だが、鳴り物入りでスタートした国家戦略室で、十人のスタッフの半数を官庁から受け入れ、役人への配慮もみせている。 「実は菅氏は、岡田克也外相を反面教師としている。岡田氏は外務官僚の声に耳を貸さず、普天間基地問題で米政府から『要警戒人物』のレッテルを貼られてしまった。対米関係がこなせなければ、首相候補としておぼつかない。岡田氏が外交問題で沈み、自分の『ポスト鳩山』の可能性が高まったと菅氏は踏んでいるようです」(民主党担当記者) 事実、菅氏は衆院の内閣委員会で「外交・安全保障に知見のある人をスタッフとして採用し、あらゆることに対応できる体制をつくりたい」と、国家戦略室でも外交・安保を手掛けていくと宣言した。鳩山首相と岡田外相が日米関係でトラブルを抱える中、外交・安保政策で準備を進めようというわけだ。 菅氏が初めて与党に参加した十六年前の非自民連立政権は日米関係が暗礁に乗り上げ、細川護熙首相の資金問題で崩壊した。いま鳩山政権が置かれている状況とそっくりだ。 「早ければ年末、もしくは来年の予算成立前の二、三月に鳩山首相辞任の可能性がある、と永田町では囁(ささや)かれています」(同前) 二十二日、テレビに出演した菅氏は「来年五、六月ごろに中期財政フレームを出したい」と怪気炎をあげた。その目は「ポスト鳩山」が現実化する来春以降を見すえている。 (週刊文春2009年12月3日号「THIS WEEK 政治」より) 【関連記事】 ・ 「四選確実」福島瑞穂党首の「軽口」を恐れる社民党幹部 (週刊文春2009年11月26日号) ・ 「新しい保守の流れが必要」!? 亀井、山崎拓「会談」真の狙い (週刊文春2009年11月19日号) ・ 「大統領訪日の意味がない」 KY鳩山に米高官が怒り心頭 (週刊文春2009年11月5日号) ・ 「ポスト鳩山」狙い? 菅氏はいつまで「ダマ菅」でいられるか (週刊文春2009年10月29日号) ・ 「鳩山外し」が始まった小沢民主党 (文藝春秋2009年12月号)
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