新着記事

ソフトバンクが、国際会計基準準拠にいち早く手を挙げたと言われています。

なぜソフトバンクが国際会計基準準拠に早足で進むのか。

その理由は簡単です。

国際会計基準では、「のれん代」の償却義務がなくなるからです。

ソフトバンクは、ソフトバンクモバイルの取得時に、1兆円以上ののれん代を積んでいます。これは今でも9000億ほど残っていて、ソフトバンクの財務諸表の最大の汚点となっています。

こののれん代は、日本基準では、最終的にゼロにしなければならないと決まっています。最終的にゼロにするという前提があるからこそ、簿価をはるかに越える価格での買収に対して、出資者からの批判が起こらないという構造です。

一方、国際会計基準では、のれん代の償却義務がなくなります。その代わり、利益がのれん代に相当するものでない場合は一括償却しなければならないという地獄条件付きです。

しかしポイントは、「利益がのれん代に相当するかどうかは自己判断(あるいは監査法人判断)」というところ。ソフトバンクが、どんなに利益構造がおかしくなっても「のれん代は相当だ」と言い張り押し切れば、のれん代は未来永劫償却する必要がなくなるわけです。

もちろん、前年度末の怪しげな未収入金の付け替えや貸倒引当金の付け替えなどの操作を看過しているのを見てもわかるとおり、監査法人はいくらでも丸め込めます。

そう、ソフトバンクは、国際会計基準に移行することでのれん代の償却をとめ、実質債務超過状態の財務を正当化しようとしているわけです。

日本基準の「のれん代償却前提」で携帯電話事業買収を出資者に納得させ、その後国際基準に変更してのれん代償却をうやむやにしてしまう。さすがとしか言いようの無いテクニックです。

また、国際基準では、リース料金の扱いも変更になり、すべてのリースは資産計上しなければならなくなります。

ネットワーク機器の調達のほぼすべてをリースに頼っているソフトバンクにとっては、大変な出来事なのですが、おそらくこれも逆手に取るでしょう。

何しろ、リースが資産計上「できる」わけです。資産規模が一挙に膨らむわけで、今まで「でっかいことはいいことだ」でだまされ続けてきた投資家なら孫正義の話術でころりとだまされるでしょう。「国際基準ではわが社は実はこれだけの資産を持っていたのです、いかがですか」と。

こういうわけでソフトバンクが国際基準採用を急いでいると考えられるわけで、皆様におきましては、こういった詐術に引っかからないよう重々ご注意をいただければと思います。
| コメント(0)トラックバック(0) | home
さて今月も着々と回線数の上積みをしています。

今回のネタはこちら。

ソフトバンク契約ユーザに無料でフォトフレームプレゼント。なぜか別契約回線付き。

今月は、半月経過時点で既にこのフォトフレーム無料バラマキだけで5万回線ほど積んでいる模様。

11月全部だと10万に届くかな?

先月までも無料プレゼントはやってて、もちろん、それらは着々と解約されていますから、TCA発表の無線モジュール回線数純増数は10万には遠く届かないでしょうが、総獲得回線数には確実にこの数字が積まれているわけです。

今月末(来月頭)発表のソフトバンク純増数からは、少なくとも5万、多めに見れば10万は差し引いて比較する必要があるということですね。

たぶん来月もきっちり1位を確保するはずですが、そこから5万を引いたらどうかなぁ?w
| コメント(1)トラックバック(0) | home
少し前に、各新聞社が慣行のように行っている悪習、「押し紙」が社会問題化しました。

具体的には、実際の購読部数よりも多い数の部数の新聞を販売店に無理やり買わせ、それで発行部数を積み増している、というもの。

これの何が問題になるのか。もちろん押し付けられた販売店に対する不法行為という面も無くもないでしょうが、そこは、販売店側も契約として受け入れているのですから、法的問題は大きくはありません。それよりも、この嘘の発行部数を根拠に広告枠を売っているということ。つまり、実際よりも広告効果が大きいものと偽装している、そこが問題となったのです。

そしてソフトバンクも同じことをしています。販売店にいくばくかの謝礼を払って契約回線を押し付けています。事実上タダで手に入れた回線を後は販売店がどのような手法で売ろうとかまわない、そういう条件です。これにより、ソフトバンクは毎月数万もの契約回線数の上積みをしています。純増数1位は、まさにこのおかげで、もしこの「押し回線」が無ければ、ここ数ヶ月はソフトバンクの純増数は最下位でした。7月のまぐれの首位陥落、あれは、完全にソフトバンクの読み間違い。ソフトバンクがドコモのエヴァケータイ増産を読み忘れて回線を積むのを忘れており、エヴァ増産を積んでいないドコモの数字にぴったりと純増数を合わせて調整していました。しかし、その情報は瞬く間に業界に伝わり、大笑いの種となっています。あ、やっぱりドコモ純増数にきっちり合わせてるだけなんだ、と。

さて、ソフトバンクがどのように回線数を積み上げようが知ったことではありませんが、その嘘の回線数を他の用途に使っているとなると、話は違ってきます。たとえば、ソフトバンクは長いこと「純増数連続○○ヶ月1位」という広告を打ってきました。これは、明らかに嘘の情報を元にした嘘の広告。これはいけません。さらに、株主や社債購入者に対しても同じ説明をしているわけですから、嘘の情報で出資を募っている、つまり出資法違反に相当します。さらに、周波数割り当ての条件となる加入者数に嘘の数字が紛れ込んでいるわけですから、周波数利用条件にも違反していることになります。

ソフトバンクが純増一位にこだわって数字を積み増しするのは勝手にすればいいのですが、広告倫理、出資倫理、公的倫理に著しく反した利用をしている以上、これは許されざることです。新聞の押し紙と同じく、厳しく追求して社会に明らかにしていくべきでしょう。

今後はこちらでの更新となります。

| コメント(2)トラックバック(0) | home
ちょっといいこと教えましょう。

ソフトバンク【単体】の財務諸表を見ればわかりますが、単体の負債は、着実に増えています。その額、一昨年度末9200億円だったものが昨年度末には9500億円と、着実に膨れています。

特に、短期借入金の激増は大変なものです。

そして今年はそれを処理するために、1500億ほど社債を発行しています。これで短期借入金は減っているでしょうが、総額はおそらく既に1兆円を越えているのではないでしょうか。

さて一方。

ソフトバンク連結のキャッシュフロー、いわゆるフリーキャッシュフローは2000億ほどあり、今期はさらに予想から上方修正して3000億円としています。

これなら、単体債務1兆円もたいした負担ではなさそうです。わずか3年で完済も可能です。

本当にそうでしょうか。

このフリーキャッシュフローの大半は、移動体通信事業が稼ぎ出しています。移動体以外の事業だと、今期の通期営業利益は1500億ほどが見込まれ、さらに500億ほどの負債の利払いが発生するため、営業キャッシュフローは1000億がいいところ。一方、それらの事業に対する投資は、前期実績(800億)から多少割り引いて考えても500億は必要で、となると、移動体を除くフリーキャッシュフローはわずか500億。

なぜこんな話をしているのかというと、移動体会社本体にも借金があるから。移動体の稼いだお金は、移動体の借金の返済にしか充てられないからです。移動体会社自体にも、1兆2千億ほどの借金があり、これを返し終わるまでは、本体に返済原資(つまり配当金)を支払うことが出来ません。

つまり、移動体を除いたフリーキャッシュフロー、500億で、1兆円の負債を返済しないといけないわけです。

あれあれ。フリーキャッシュフローが500億しかないのに、今期1500億も社債発行しちゃいましたね。どうするんでしょうね。

移動体が借金を完済して配当を出せるようになる前に、本体が債務超過に陥る可能性も出てきます。もちろんそうなれば、本体の長期借入金に付けられた貸し付け条件もろもろにより、移動体の株式も差し押さえ、取り上げられてしまいます。

なんか、悲惨な未来が見えてきました。

楽しみですね。
| コメント(3)トラックバック(0) | home
« 1>2>3>4>5>6>7>8>9>10
ページトップ