ホチキス芯ばらまき、前橋で続発　パンク被害・けが人も

　前橋市岩神町１丁目のグリーンドーム前橋付近の路上で、大型のホチキスの芯がばらまかれ、自転車のタイヤがパンクする被害が続発していることが分かった。踏んだ針が靴底を突き破り、足にけがした住民もいる。２カ月以上に及ぶ悪質ないたずらに、市は前橋署に相談するとともにパトロールを強化する。

　被害が確認されているのは、ドーム東側から前橋岩神郵便局（同町２丁目）へと延びる歩道約５００メートル。同町２丁目自治会が把握しているだけでも、９、１１月に、針の長さ１センチ程度もある太いホチキス芯がばらまかれていた。

　グリーンドーム前橋に事務所がある市競輪事務所の集計などによると、これまでに４５０個以上の芯が回収されており、そのほとんどが突き刺さりやすいよう片側の針がねじられていたという。

　今月２２日には、芯に交じって粉々に砕いたビンもばらまかれていた。回収は朝から夕方まで計４度行うことから、芯は夜にまかれていると考えられるという。

　自転車で出掛けることが多い周辺住民の間で、タイヤがパンクする事態が頻発。近所の約２０軒のうち、多い人は７回も被害にあった。競輪事務所職員の自転車もパンクする被害が相次いでいるという。

　近くの岡本実さん（７４）は９月末の午前１０時ごろ、針を踏んだとき、靴底を貫通し足の中指に突き刺さった。足裏には今でも傷が残る。

　同自治会の副会長上野●（●はがんだれに萬）治（れいじ）さん（７０）は「いたずらにしては悪質すぎる」と憤る。近くの主婦（３９）も「小さい子どもが転んだときに針が刺さったらと思うと怖い」と不安がる。

　９月に住民から相談を受け、周辺を巡回するなどしていた市道路管理課は「１０月は被害がなく、もう収まったと思っていた。けが人が出た以上、今後はパトロールの回数を増やす必要がある」と話す。

　事態の悪質性を考慮し、市は２６日に前橋署に被害状況を連絡したという。（遠藤隆史）