【北京=佐藤賢】中国政府は26日、地球温暖化対策として、国内総生産(GDP)を一定額生み出すために排出する二酸化炭素(CO2)の量を2020年までに05年比で40〜45%削減する目標を発表した。12月にデンマークのコペンハーゲンで開く第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に温家宝首相が出席することも明らかにした。
温暖化防止への積極姿勢をアピールし、13年以降の温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)を巡る交渉で主導権を握りたい考えだ。米国が25日に排出削減目標を発表したのに続き、中国が新目標を示し、温暖化ガスの二大排出国の基本方針がそろったことで、ポスト京都議定書の交渉に弾みが付きそうだ。
ただ、中国が打ち出した新目標は、温暖化ガス排出量の絶対量を減らす目標ではなく、単位GDP当たりの削減目標で、今後の経済成長を制約しないように配慮した。09年以降の名目GDPが年5%以上増加すると仮定した場合、今回の排出抑制目標を達成しても、CO2排出の絶対量は20年に05年比で6割以上増える計算になる。
(26日 20:49)