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<釜山射撃場火災>日本人4人 現地入りの家族が身元確認 

11月15日21時7分配信 毎日新聞

<釜山射撃場火災>日本人4人 現地入りの家族が身元確認 
火災で10人の犠牲者が出たガナダラ実弾射撃場を訪れ手を合わせる家族ら=韓国・釜山市で2009年11月15日午後6時44分、矢頭智剛撮影
 【釜山・朴鐘珠】韓国・釜山市の「ガナダラ実弾射撃場」で起きた火災から一夜明けた15日、現場から運ばれた10遺体が安置されている釜山郊外の大学病院で身元確認の作業が始まった。地元警察当局者によると、日本人6人の家族が同日夜までに現地入りして立ち会い、4人については家族が身元を確認した。だが、2人の家族は損傷の激しい遺体を前に身元確認ができなかった。警察はDNA鑑定で身元の最終確認を行うことにしているが、結果が出るまでには「24〜36時間かかる」という。

【写真特集】火災があった韓国・釜山の射撃場の現場写真など

 ツアーに参加して惨事に巻き込まれた荒木英輝さん(36)の父、英忠さんは、弔問に訪れた韓国の鄭雲燦(チョンウンチャン)首相の手を両手で握り、首相を食い入るように見つめて「息子は韓国を楽しみにしとって……残念でならんです」と訴えた。英輝さんの妻も「何を言っても主人は帰ってこないでしょう」と消え入るような声で語った。英輝さんが安らかな表情を見せていたことが、せめてもの救いだったという。

 鄭首相は遺族との面会後、「他国で家族を失うことの心痛は重く、釜山市などと協力して遺族のために特別な措置を取るよう最善を尽くす」と述べるとともに、徹底的な原因究明と再発防止策を講じていくことを約束した。

 病院には、韓国人の死者を含めた10人の遺体が安置されている。喪服をまとって号泣する韓国人遺族とは対照的に、日本人家族らは普段着で気丈に振る舞っていたが、遺体との対面後は支えをなくしたようにベンチにへたり込み、泣き崩れた。控室でも床に座り込んで黙り込み、病院側が用意した飲み物にも手をつけようとしなかった。

 遺族らはその後、現場の射撃場にも足を運んだ。家族の名を叫んだり、手を合わせたりしながら20分間ほど、寒空の下で狭い路地に立ち尽くしていた。

 一方、負傷した原田洋平さん(36)ら3人の家族は、負傷者が搬送された釜山市内2カ所の病院へ向かった。

 ◇安否が不明の方々

 日本総領事館によると、現場にいた日本人は観光会社のツアー客9人と別のツアーの2人。9人は▽荒木英輝さん(36)▽稲田篤信さん(37)▽大久保章さん(37)▽笠原勝さん(37)▽島田明さん(37)▽中尾和信さん(37)▽原田洋平さん(36)▽前田大輝さん(36)▽宮崎英生さん(36)。残る2人は▽落合政洋さん(55)▽永浜正則さん(57)。

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最終更新:11月16日0時21分

毎日新聞

 

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