【釜山・甲木正子】韓国観光協会中央会(ソウル、慎重睦(シンジュンモク)会長)は、韓国釜山市の室内射撃場で起きた火災の被災者を支援するため、26日から募金活動を始める。また、釜山市内の民間病院は、現在入院中の日本人負傷者に形成外科手術が必要になった場合、無料で行うと申し出た。火災から10日がすぎ、韓国社会で被災者支援の動きが広がっている。
募金は韓国内の観光協会や、日本人観光客を誘致している旅行社、釜山市内の企業などを中心に呼び掛け、法人、個人で寄付を募る。12月15日まで実施。「目標は10億ウォン(約8千万円)以上」(慎会長)で、全額を釜山市に預け同市と協会で使途を話し合う。「韓国人、日本人の区別なく役立ててほしい」(同)としており、被災した各家族に見舞金のような形で贈られるとみられる。
また、釜山市内のチョウン文化病院は、現在、別の病院でやけど治療中の長崎県雲仙市の笠原勝さん(37)ら日本人3人を、同病院の「美容成形再建センター」で無料で治療すると表明した。同センターの黄昭敏(ファンソミン)所長によると、重度のやけどでは治療後も皮膚がひきつったり指が変形する場合があるため、指を伸ばす「再建手術」が必要なケースが多い。黄所長は「韓国の形成再建手術の技術は世界最高水準。日本人被害者の力になりたい」と話している。
=2009/11/25付 西日本新聞朝刊=