ホーム |
防災気象情報 |
気象統計情報 |
気象等の知識 |
気象庁について |
案内・申請・リンク |
気象庁では、季節予報の予測手法を従来の過去のデータを基にした統計的な予測法から、 数値予報に基づくアンサンブル予報に切り替えました (1か月予報は平成8年3月、3か月予報は平成15年3月、暖・寒候期予報は平成15年9月)。
将来の大気の状態を予測するためには、初期の状態を正確に把握しておくことが必要ですが、 観測や解析の段階で生ずる誤差は避けることができない問題です。 この初期の段階で含まれているわずかの誤差が、時間の経過とともに次第に大きくなり、 ある時間が経過した時点では予測不可能になる場合があります。 しかしこのことは、ある時間以上先のことは全く予測できないということではありません。
一つの例の数値予報では高気圧や低気圧の位置、あるいは天気の時間的推移を予測できなくても、 初期値にわずかなバラツキを与えて複数例の数値予報を実施することにより、 その平均(アンサンブル平均)をとれば、 個々の例中の誤差同士が打ち消しあって平均的な大気の状態を予測できる場合があります。 このような情報を提供するための手法がアンサンブル予報です。 これにより、平均的な大気の状態の予報精度を上げることができます。
下の図にアンサンブル予報の例を示します。ここでは850hPa(地上約1,500m)の 気温の平年差の予測を示しています。50本の細い実線は個々の予測結果です。 黒の太い実線は50本の細い線を平均したもので、これがアンサンブル平均の予測結果です。 この例では、向こう1か月間のはじめは高温となり、 その後は平年より低く経過すると予測されています。 また、50個の予測のばらつき方は前半に比べ後半では大きくなっており、 予報時間が延びるとともに予測が難しくなることを示しています。 なお、図の気温は7日間の移動平均であり、 たとえば初期日から6日目までを平均した予測結果は3日目のところに示してあります。
なお、1か月予報では下の図のように50個の予測を計算していますが、 3か月予報と暖・寒候期予報では51個の予測を計算しています。