暮らしのメモ
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今回は衣料の大敵「変色」について。
汗による変色
時間が経つほどやっかい
汗はその殆どが水分で残りは塩分・尿素・乳酸などを含んでいます。全身に分布している汗腺から出る汗は塩分や尿素などをわずかに含んでいるだけですが、腋の下などの汗腺からは脂肪酸などの脂質も含んでいます。
汗が衣服に及ぼす影響は発刊部位や量でも異なりますが、いずれにしても衣服に付いたあと、水分が蒸発すれば塩分などが濃縮されて残ります。
特に夏は汗の量に比例して残留量が多い上、残留成分が変質しやすいので、時間が経つほど衣服に悪い影響を与えます。
黄ばみの原因は汗が運ぶ皮脂
皮膚には汗腺と皮脂腺があります。汗と皮脂が混ざり合った状態で衣服に付きます。
洗剤などでも除去するのは難しく、時間が経てば空気中の酸素で酸化され、取れにくい黄ばみや黒ずみになります。また、染みこんだ皮脂はバクテリアによって分解され、いやな臭いの原因にもなります。
紫外線による変色
汚れの除去後に目立つ変色
紫外線による変色には、直射日光を数時間浴びただけでも起きたり、何度も着用しているうちにゆっくりと進んでいくなどといろんな進行具合があります。
繰り返し着用していてゆっくり進む場合は、色の変化が汚れでカムフラージュされてしまい目立つことが少ないのですが、クリーニングに出して汚れを取り去ると変色していることが明らかになったりします。
これは紫外線が原因です。それまで潜んでいた色の変化がハッキリとしたと言うことです。
繊維にも及ぶ悪影響
- 染料分子の破壊
淡い色、特にブルーやリーンなど、鮮明なブルー系の染料が配合されたものに目立ちます。
- 蛍光増白剤の変化
蛍光増白剤とは、繊維に染着して白度を増進させるもので、青色発光によって増白効果を示しています。その蛍光増白剤が紫外線の影響により劣化すると、黄変が起こります。
- 繊維分子の変質
毛や絹、ナイロンなどの場合、紫外線の影響で、繊維素材そのものを変色させます。
繊維の性能には耐候性という基準がありますが、綿や麻、ポリウレタンも耐候性の問題点として黄変する傾向が指摘されています。
蛍光灯から出る紫外線も原因に
太陽光線の紫外線が強いのは4月から9月までなので、秋になれば注意がおろそかになりますが、蛍光灯からも紫外線が出ているので注意しないといけません。
蛍光灯の出す紫外線は、直射日光の1/100、つまり1%程度ですが、長時間になると変色を引き起こします。(美術館や博物館では変色防止のための特殊な蛍光灯を使用しています。)
衣服の保管は紫外線を避けて
通気性のあるカバーをかけてタンスなどに保管しましょう。
室内に長時間吊しておいたり、特に窓際は外光と蛍光灯の影響が重なるので避けましょう。
「ジ・アフタ」より抜粋転載
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