「ドライ」マーク衣料の洗い方
「ドライマーク衣料も洗える」と宣伝する洗濯機や洗剤が売られているので、家庭でドライクリーニングができると勘違いしている人がいるようです。でも、家庭でドライはできません。
洗濯機のドライコースで試してみたら失敗一そんなトラブルを避けるためには、洗い方の賢い「選択」が重要です。
日本の多くの家庭用洗濯機では、「ドライ」という洗濯コースを選べるようになっています。
一方、ドライマーク衣料が家庭で洗えるという洗剤の宣伝も盛んに行なわれています。
そのため、海外の家庭用沈濯機には付いていない「ドライ」 というボタンを押して、ドライマーク衣料を家庭で洗ってみようと考える人が増えました。
そして、多くの人がドライマーク衣料の家庭沈濯を試みて、色落ちや縮み、型くずれなど、思いがけない失敗を経験しています。
そんな失敗が起きるのは、「ドライコース」による家庭洗濯が、お店のドライクリーニングとは全く異なるものだからです。また、ドライマーク衣料が洗えるという洗剤も、ドライクリーニング用の薬品ではないからです。
それなのに、まぎらわしい宣伝が消費者の誤認や過信を呼び起こし、混乱を招いているのです。
家庭で「ドライ」は出来ません
衣料を水につけるのですから「ドライ」ではありません。水を使わないことが「ドライ」なのです。
ドライクリーニングは、衣料の風合いを守りながら、皮脂などの油性汚れを効果的に取り除くために発明されたもので、衣料を水につけずに、ぬれていないドライな状態で洗えるように工夫した画期的な沈浄方法なのです。
お店のドライは溶剤を使います
ドライクリーニングでは、水ではなく溶剤を使います。衣料を溶剤につけて、水でぬらすことなくドライな状態で洗うのです。
そのドライ溶剤とは、ドライマーク衣料の品質を損なうことなく、油性汚れを溶かして落とす揮発性の液体。強力な洗浄力をもちながら、汚れのほうにだけ働いて、衣料には悪影響を与えません。
この溶剤を使うにはドライ専用の業務用機械と設備が必要です。
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