「移民YES」

移民YES

2009年11月27日(金)

在日韓国・朝鮮人との出会いが「移民1000万人政策」の原点になった

移住を認める「大きな日本」と美しい衰退の「小さな日本」、どちらを選ぶか

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 だが、リーマン・ショックでほとんどが雇用契約を解除されました。派遣契約を更新しなかっただけと企業は言うと思いますが、そもそも日系ブラジル人を呼んだのは企業です。企業の社会的責任としてそれでいいのでしょうか。

日系ブラジル人とさえ共生できなければ移民などありえない

 坂中 ブラジルに移民した日本の子孫である日系ブラジル人問題をどう解決するのかは、移民国家に向けて日本人の姿勢と力量が問われる試金石です。

 日系ブラジル人を社会の片隅に追いやってはいけません。特に日本で育った子供たちには十分な教育を受ける機会が必要です。

 私たち日本人と容姿がそっくりで、事実、日本人の血を受け継いでいる「移民」とどう向き合うか。もしもっとも日本人と近い存在である日系ブラジル人との間でさえ共生ができないのであれば、日本企業と日本社会の国際化などとても無理でしょう。

 日本人は決して排外的な人種ではないと思います。ここ1000年強ぐらいは単一民族の国家だったが、長い歴史の中で様々な文化を吸収して、成長してきた。他国のように異民族による支配の歴史もないし、特定の民族や文化に対して圧倒的な嫌悪感や憎悪感があるわけではない。

 在日韓国人の結婚相手は今や9割が日本人です。理屈抜きで、婚姻関係によって融和が進みました。人口危機への厳しい対応を迫られる若年世代にとっては移民は同志にもなります。いろいろな世界観から日本人が学ぶ部分もきっと大きいと僕は望みをかけています。

 本コラムに関連した特集記事を、日経ビジネス2009年11月23日号のp24〜39に掲載しています。
 「移民YES」――1000万人の労働力不足がやってくる
 「外国人なし」もう限界/誰が支える?「20年後のニッポン」/根づき始めた2世、3世とどう向き合う?/難民を労働力に、スウェーデンの決断/ほか。こちらも併せてご覧下さい。(日経ビジネスの購読申し込みはこちら






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移民YES

深刻な景気悪化を背景に、雇用対策が最大のテーマになっている。だが、10年もしないうちに、日本は深刻な労働力不足に直面する。既に、国内産業の多くが外国人の労働抜きには成り立たなくなり始めている。付け焼き刃の対応で「移民」政策に真正面から向き合ってこなかった日本。今こそ、「移民YES」に方針転換し、制度整備を急ぐ時だ。

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