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デフレ対策の責任転嫁

2009年11月27日0時11分

 政府は月例経済報告で、日本経済が緩やかなデフレ状況にあるとの認識を示した。そしてデフレ脱却のために、日銀に金融緩和の継続を求めている。たしかに日本は、企業物価、消費者物価など、どの物価指標も下落基調にあるし、近い将来上昇に転じる可能性は低い。だから、デフレのただ中にあるという危機感を共有し、デフレ脱却のための知恵を皆で出し合うことは必要だ。

 しかし、デフレの主因は、明らかに需要の急激な落ち込みである。世界同時不況に伴う輸出急減によって、日本経済は不況になった。企業収益は悪化し、雇用・賃金の下落を通じて、個人消費や住宅建設も低迷した。輸出回復やエコカー減税などによって、このところ景気は持ち直しているが、実質GDPは不況前の水準をなお7%も下回っている。

 だとすれば、デフレ対策の本命は、GDPを押し上げ、需給面からのデフレ圧力を緩和することであるべきだ。二番底を回避するために、景気下支え策の継続が必要である。さらに、日本経済のデフレ抵抗力を高め、持続成長を実現するため、グローバル経済における日本の立ち位置を見極めた上で、規制緩和、行財政改革、税制改革、市場開放、研究開発、競争政策、教育改革、社会保障制度改革に、整合的に取り組むことが不可欠である。それが、多くの論者が指摘する「成長戦略」であろう。しかし新政権の政策には、その戦略と整合性が欠けている。

 だとすれば、現補正予算の執行停止により成長率を押し下げ、また需要拡大策を示すことなしに日銀に政策責任を負わせることは、無責任かつ責任転嫁であろう。新政権の経済政策運営は、いかにもお粗末である。(山人)

    ◇

 「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

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