偽装献金問題で実母からの資金提供発覚 鳩山首相「事実かどうか含め大変驚いている」
国会は自民、公明両党が審議に復帰し、正常化した。一方、野党が追及を強める鳩山首相の偽装献金問題で、実母からの資金提供が発覚し、鳩山首相は釈明に追われた。
自民党の後藤田 正純議員は「浪花節で、中小企業の皆さんからは神様みたいに見えるんだけれども、半年先もお先真っ暗なんですよ」とただした。
これに対し、亀井静香郵政・金融担当相は「別にわたしは、『浪花節だよ、人生は』なんて言うつもりはありません」と述べた。
25日朝から、野党側が委員会審議に復帰し、国会に激しい論戦が帰って来た。
衆院財務金融委員会では、先日、本会議を通過したはずのいわゆる「返済猶予法案」が、再び質疑の対象となった。
亀井郵政・金融担当相は「あなたにギャーギャー、こうやって批判...、失礼しました、批判されなくってね」と述べた。
一方、もう1つ、亀井大臣肝いりの郵政株凍結法案は、ようやく26日の本会議で趣旨説明が行われることになった。
しかし、民主党の山岡賢次国対委員長は「自民党内から造反が出るので、これを不正常な状態にしておいて、出ない状態にしておきたいなというようなお話が、自民党の中から漏れ伝わってきております」と述べた。
民主党は、郵政問題で党内分裂のおそれがあるため、審議に応じなかったと、自民党の姿勢を批判した。
これに対し、自民党の谷垣禎一総裁は「(郵政株凍結法案については)党内意見の集約は、できると考えております。鳩山総理と、それから小沢幹事長の政治とカネの問題。予算委員会等できちっと説明される必要があるのではないかと」と述べ、政治とカネをめぐる集中審議に難色を示している民主党を批判した。
その鳩山首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題で、新たな疑いが浮上した。
政治資金収支報告書に記されている、うその記載の元手の一部、数千万円について、鳩山首相の母親が提供した資金だったという。
鳩山首相は、11月4日の予算委員会で、偽装献金の元手が母親の資産ではなかったかと質問された際に、「ないと信じている」と答弁していた。
鳩山首相は25日、「確かに私もそう信じておりましたし、今でもそう信じたいとは思っております。これは事実かどうかということも含めて、大変驚いていると」と述べた。
かつて政治とカネの問題について、鳩山首相は2002年3月、「秘書の逮捕は共同正犯だと申し上げてきたわけでありまして、その時から議員辞職をすぐにされるべきだと」と批判していた。
自民党の石破 茂政調会長は25日、「『秘書の犯罪は政治家の犯罪だ』と言ったことの重みは、ご自身がよくかみしめられるべき問題であって、今は立場が違うとか、そういうようなものでは一切ありません」と述べた。
波乱含みの終盤国会。
会期延長は不可避の情勢の中、与野党の綱引きが続くとみられる。
(11/26 01:01)