2009年11月24日10時53分
石田正子
【ベイトステレン(ノルウェー)=斎藤孝則】ノルディックスキー距離のW杯は22日のリレーで日本は厳しい現実を突きつけられた。男子は20位以内にも入れず、女子は16位と振るわず。そんな中、石田正子(JR北海道)の滑りは明るい兆しを感じさせた。
20キロリレー第1走者の夏見円(JR北海道)から20位で引き継ぐと、区間6位の好走でチームを14位まで引き上げた。「(集団から離されて)1人だったので厳しかった」というものの、昨季総合優勝のコワルチク(ポーランド)ら世界のトップと見劣りしないタイム差で滑りきった。
評価できるのは判断力だ。降雪が続く天候に、各国ともワックスの選択で悩まされていた。石田のスキーも完璧(かんぺき)ではなかったが、キック力が伝わりにくいと分かるとストックを多用。ワックスの不具合を技術の応用でカバーした。
昨季はW杯30キロクラシカルで3位に入り、世界選手権団体スプリントは4位入賞。苦手のスケーティング走法でも前日の10キロフリーで22位と健闘し、30位以内に与えられるポイントも獲得した。
「(ポイントを取って)浮かれている場合じゃないですよね、こんな(リレーの成績)じゃ」と石田。29歳の表情には、新リーダーとしての自覚が漂っていた。