1954年発売のレオタックス初の最高級機である。このモデルより、ダイキャストボディーとなり、レンズキャップをせず巻き上げても漏光すると言うトラブルから開放された。 またシャッターはレオタックス初の1/1000秒を備えている。このモデルにはレオタックスも自信があったのか、フィルム位置の○マークの変わりにfの文字があしらわれている。
バルナックライカコピーとしては一つの完成形であるといえるだろう。ダイキャストボディー、1~1/1000秒までのフルスペックシャター、シンクロ接点。
セルフタイマーは無いが、ほぼライカIIIfのセルフなしとほぼ同等のスペックを出している。ただ、ダイキャストの製造技術が未熟なため、ライカIIIC、IIIFより厚みが暑くなってしまったのは仕方が無い点か・・・
とはいえ、レオタックスもほぼライカIIIfの背中を捕らえるカメラを送り出したことになる。
しかし、この年ライカは他のカメラメーカーにとって恐怖とも言えるレンジファインダーカメラ、ライカM3を発売する。
0.91倍の大きく明るいファインダー、そこには採光式のブライトフレームが搭載され、つけたレンズにより自動で切り替わり、50は常時見え、90135mmのブライトフレームがつけた焦点距離のレンズにより現れる。また距離計は一眼式距離計、マウントはバヨネットマウント、巻き上げはレバー巻き上げと、ファインダー、巻き上げ、シャッター、マウントなど全てのものが高次元にまとめられた脅威のレンジファインダーであった。
レオタックスはやっとライカの背中に追いつきそうになった瞬間また一気に離された形となった。 各社ライカM3に対向するために色々と改良を加えるが、最終的には一眼レフへ転進するか、倒産して消えていく運命であった。 唯一ライカM3並のスペックを出したのはニコンSPだけであろう。
レオタックスもその後レバー巻き上げ、ブライトフレーム入りのFVなど出すが、バルナックの改良モデルと言う感は否めず、真の対抗モデルとも言うべきレオタックスGを完成させるも力尽き倒産してしまう。一部が債権者の手によって組み立てられ販売されたらしいが、でてくると大変高価である上組み立て精度は低いようだ。
ただし、レオタックスFはバルナックコピーとしての出来は一級品である。
写真のレンズはTV用に用意された東京光学のSトプコール5cmf2をつけてある。このレンズを格安で手に入れたので、それように安く買ったのがこのボディーである。
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