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きょうのコラム「時鐘」 2009年11月27日
行政刷新会議による事業仕分けが連日、耳目を集めている。議論は公開でネット中継されているが、平日の一日、付き合う人はまれだろう
あれもこれもバッサリという結果や、一言半句の刺激的なやりとりが、「必殺仕分け人」なる前宣伝の文句に重なる。それが人気を呼ぶのだろうが、もてはやされているのを見ると、ついヘソを曲げたくなる 「芸が受けるのは、用心しろということだ」と、落語家の桂歌丸さんに教わった。当地の客はノリが悪いでしょう、と水を向けた折である。ノリが悪いのは客のせいでなく、テメエの芸がお粗末なんだ、と反論された。逆に、客に大受けするのも用心が肝心。いい気になるとそこで芸の勢いが止まる、と歌丸さんは続けた 大向こうの客は、芸を鍛えもすれば、つぶすこともある。「必殺仕分け」劇の観客は、どっちだろう。「仕分け」は本来、国会の仕事。今度の「必殺劇」も予告編だというが、本編を見てガッカリということはいくらもある 木をなぎ倒すような一刀両断は、観客の目を奪う。が、木を見て森を見ず、という言葉も、頭にちらつき始めてきた。 |