What's new
日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2009.11.25
来年度予算 PAC3追加配備費 外相が慎重姿勢
カテゴリ自衛隊政策出典 産経新聞 11月25日 朝刊
記事の概要
政府は24日、平成22年度防衛予算に関する閣僚委員会を国会で開いた。委員会は、鳩山首相、藤井財務相、北沢防衛相、岡田外相が出席した。
この中で、岡田外相は防衛省が来年度予算で求めている弾道ミサイルを迎撃するパトリオットPAC3の追加配備配備費の予算計上に慎重な姿勢を示した。
防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を踏まえ、5年計画で全国3カ所にPAC3を追加配備する経費として、来年度分の概算予算で944億円を盛り込んでいる。
岡田氏は、「PAC3は有効性について国民の理解される説明が求められる。22年度中に十分に検討すればいいのではないか」と発言、藤井氏も「その通りだと思う」と発言した。自衛官の増員要求に対しても疑問視する意見が出た。
鳩山首相は年末に予定されていた新たな「防衛計画の大綱」と次期の「中期防衛力整備計画」(次期防)策定を1年間先送りすることを決めている。
現在の中期防は平成21年度までが対象で、来年度以降の防衛整備計画は新たな太閤と次期防に委ねられる。しかし来年度1年間分の計画が定まらないため、防衛予算の1年間の「空白」を埋める指針が必要だった。
今回の防衛予算閣僚委員会では、12月中旬までに指針をまとけめることを確認した。
政府は24日、平成22年度防衛予算に関する閣僚委員会を国会で開いた。委員会は、鳩山首相、藤井財務相、北沢防衛相、岡田外相が出席した。
この中で、岡田外相は防衛省が来年度予算で求めている弾道ミサイルを迎撃するパトリオットPAC3の追加配備配備費の予算計上に慎重な姿勢を示した。
防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を踏まえ、5年計画で全国3カ所にPAC3を追加配備する経費として、来年度分の概算予算で944億円を盛り込んでいる。
岡田氏は、「PAC3は有効性について国民の理解される説明が求められる。22年度中に十分に検討すればいいのではないか」と発言、藤井氏も「その通りだと思う」と発言した。自衛官の増員要求に対しても疑問視する意見が出た。
鳩山首相は年末に予定されていた新たな「防衛計画の大綱」と次期の「中期防衛力整備計画」(次期防)策定を1年間先送りすることを決めている。
現在の中期防は平成21年度までが対象で、来年度以降の防衛整備計画は新たな太閤と次期防に委ねられる。しかし来年度1年間分の計画が定まらないため、防衛予算の1年間の「空白」を埋める指針が必要だった。
今回の防衛予算閣僚委員会では、12月中旬までに指針をまとけめることを確認した。
コメント
これは現在配備中の地対空ミサイルPAC2を、千歳基地(北海道)、三沢基地(青森県)、嘉手納基地(沖縄県)の3基地で対弾道ミサイルのPAC3に転換するというものである。(沖縄は当分の間は空自基地の配備となる)
低空・高空から進入してくる敵の戦闘機や攻撃機、それに巡航ミサイルを迎撃するのがPAC2(射程100キロ以上)である。これに対してPAC3(射程20キロ程度)は大気圏外からほぼ垂直に超高速で落下してくる敵の弾道ミサイルを迎撃する。
役割がまったく違うし、迎撃対象も違うし、射程も大きく違う。PAC2の役割をPAC3が代わって担うことはできない。
それなのにPAC3を来年度の概算要求に盛り込んだのは、空自予算に大きな穴があいたからである。それは来年度予算で計上する予定だったFX(次期主力戦闘機)7機分のことである。
ご存じのように、空自はFXにF22戦闘機を予定していた。しかし米側はF22を日本に供与することを拒否した。そいのため宙に浮いた7機分の1000億円弱をPAC3転換用として概算要求したからだ。これは無駄というより、防衛上有害な判断である。
それにである。まさに岡田氏が言うように、空自自衛官でさえ、「PAC3は役に立たない」と公言するような兵器なのである。「事業仕分け」で俎上にのぼれば、防衛省側は「それは防衛機密で答えられません」を連発し、議論を全面的に避けることしか逃げ場のない兵器なのだ。
同じPAC3を配備しているアメリカ側の資料を使って追求しても、「我が国の守秘義務に従います」としか言い訳できない。そんなデタラメで海自のSM3(イージス艦搭載)を含む1兆円を越えるミサイル防衛(MD)予算がドブに捨てられてきた。
自民党の国防族と防衛官僚とは、そのような横暴さで日本の防衛戦略をズタズタにしてきたのだ。
政権が交代して、日本の防衛戦略を根底から見直すチャンスである。むろん「思いやり予算」も事業仕分けの聖域ではないと思う。今まで防衛族や防衛官僚が聖域に位置づけて、利権の甘い汁を吸ってきたことにメスを入れるチャンスである。
これは現在配備中の地対空ミサイルPAC2を、千歳基地(北海道)、三沢基地(青森県)、嘉手納基地(沖縄県)の3基地で対弾道ミサイルのPAC3に転換するというものである。(沖縄は当分の間は空自基地の配備となる)
低空・高空から進入してくる敵の戦闘機や攻撃機、それに巡航ミサイルを迎撃するのがPAC2(射程100キロ以上)である。これに対してPAC3(射程20キロ程度)は大気圏外からほぼ垂直に超高速で落下してくる敵の弾道ミサイルを迎撃する。
役割がまったく違うし、迎撃対象も違うし、射程も大きく違う。PAC2の役割をPAC3が代わって担うことはできない。
それなのにPAC3を来年度の概算要求に盛り込んだのは、空自予算に大きな穴があいたからである。それは来年度予算で計上する予定だったFX(次期主力戦闘機)7機分のことである。
ご存じのように、空自はFXにF22戦闘機を予定していた。しかし米側はF22を日本に供与することを拒否した。そいのため宙に浮いた7機分の1000億円弱をPAC3転換用として概算要求したからだ。これは無駄というより、防衛上有害な判断である。
それにである。まさに岡田氏が言うように、空自自衛官でさえ、「PAC3は役に立たない」と公言するような兵器なのである。「事業仕分け」で俎上にのぼれば、防衛省側は「それは防衛機密で答えられません」を連発し、議論を全面的に避けることしか逃げ場のない兵器なのだ。
同じPAC3を配備しているアメリカ側の資料を使って追求しても、「我が国の守秘義務に従います」としか言い訳できない。そんなデタラメで海自のSM3(イージス艦搭載)を含む1兆円を越えるミサイル防衛(MD)予算がドブに捨てられてきた。
自民党の国防族と防衛官僚とは、そのような横暴さで日本の防衛戦略をズタズタにしてきたのだ。
政権が交代して、日本の防衛戦略を根底から見直すチャンスである。むろん「思いやり予算」も事業仕分けの聖域ではないと思う。今まで防衛族や防衛官僚が聖域に位置づけて、利権の甘い汁を吸ってきたことにメスを入れるチャンスである。