フルハルターライン


マイコレクションータイトル
Part II


《 モンブランNo.51 》


今週から9回に渡り1950年代中頃から1960年代終わりにかけて造られたモンブラン多色ボールペン・ペンシルを紹介する。

私の知る範囲で、モンブランの多色ボールペンには今回の「サイドレバー式」・「キャップスライド式」・「天ビスノック式」の三種の方式があった。

今回のサイドレバー式が一番古いタイプで、使う時にサイドに付いている4つのレバーがじゃまになり、使いにくいという人は居た。居たというのは、この時代のサイドレバー式ボールペンを現在使っておられる人が何人いるか…と思う程、少ない筈であるから。
昭和40年代で、8,000円、10,000円もする多色ボールペンを誰が買ったのだろうか。今と違って貧しかった。
1ヶ月のアルバイト代が15,000円だった私が、万年筆ならいざ知らず、多色ボールペンを買おうなどと発想する筈がない。

多かれ少なかれ、殆どの人が私と同じ発想をしたであろうことは、想像にかたくない。
余りお金はないが、モノ、モンブランにもの凄く拘り、多色ボールペンの姿・形に魅せられた。
つまりは、一目ぼれし、悩みに悩んだあげく、買ってしまったという人しかいないだろうと、私は思う。

紹介するのが遅くなった。
第一回の今回は、スターリングシルバー軸(純度935/1000) バーレイ模様のNo.51である。
このスターリングシルバー軸 「いい」 たまらない。
眺めてもいいし、さわってもやさしく、柔らかい。「やっぱり銀、好きだ。」

ところで、少々話しがそれる気がするのだが、現在もモンブランはバーレイ模様のスターリングシルバー軸の製品を作っている。それも、同時にライン模様も。

私は、No.51のバーレイ模様がとっても好きである。
やはり、以前(1960年代か70年代)のダンヒルに、QIS・QBS・QBT・QFSのスターリングシルバー軸にバーレイ模様とライン模様の製品が造られていた。
それらの製品達をずっと眺めてきた私だが、ラインよりもバーレイの方がはるかに好きだった。

現在のバーレイと比べてみると、彫り方が違い、エッヂの立ち方が違う。こだわりのない方にすれば、
「何言ってるの。同じじゃね〜か。」  だが、その違いが私には決定的な違いで今「そ〜だ。そ〜だ。」と思ってくださる貴方は、私と同じ人種だかもしれませんよ。現在のバーレイ模様の原点は、“モンブラン創立75周年”として1983年に発売されたNo.1446とNo.1646である。これを見た時に、
「あれ〜。何か違う。」と思った。

その後、バーレイとラインのスターリングシルバー軸がソリテールとして通常に販売された。
現在のソリテールを見ると、バーレイよりもラインの方が好きなのは、私だけではないだろう。

では、画像をご覧いただこう。


モンブランNo.51 天ビスの違いをお判りいただけると思う。

天ビスの違いをお判りいただけると思う。
上が古く、下が新しい。
いつからが新しい天ビスになったのか、残念ながら年は特定出来ない。



モンブランNo.51 オールド モンブランNo.51 ニュー
オールド ニュー



モンブランNo.51 ボディサイドについている4つのレバー モンブランNo.51 ボディサイドについている4つのレバー

ボディサイドについている4つのレバー(黒・赤・青・緑)を下げてその色の芯を出す。
芯を引っ込めるのは、他の色のレバーを少し下げるメカニズム。



モンブランNo.51 バーレイ模様をご覧ください。 モンブランNo.51 バーレイ模様をご覧ください。 モンブランNo.51 バーレイ模様をご覧ください。



モンブランNo.51 MONTBLANCの刻印 モンブランNo.51 935の刻印




どうだろう。「いいなぁ〜」と思っていただけただろうか。
楽しんでいただけたら嬉しい。
今回のNo.51は、丸型タイプで、同じスターリングシルバー軸で、12角形のNo.52というモデルもあったのだが、残念ながら私は持っていないので、紹介出来ない。

最後に仕様について申し上げる。


 製品仕様 
軸・クリップ: スターリングシルバー
芯出し方式: サイドレバー式
芯交換: サイドレバーを一杯に押し下げて、芯を引き抜き、
交換芯を差し込む。
太さ: 9.5mm
長さ: 133mm
重さ: 28g

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■ 製造年代:  1956〜1969年
■ 最終販売価格: 8,000円 (1974年1月)

* 次回は、全く同じタイプの金張りNo.53です。




モンブランNo.51



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