『趣味の文具箱vol.3』で11ページに渡り1960年代のモンブランを“2桁シリーズ”として特集している。
私が最も完成度が高い時代のモンブランと思っているモデル達の特集である。
“お目が高い。褒めてつかわす”
さて、今回は画像で見ると4月1日のNo.14と全く区別がつかないNo.12である。
No.14とNo.12を一緒にするか、別々に紹介するか、相当迷った。だが、この時代のモデル達の素晴らしさを知っている私にとってNo.14とNo.12を一緒に扱ってしまうのは失礼であると判断した。
たとえば見分けのつかないそっくりの兄弟を一緒に扱ってしまうのと同じではないか…。いくらそっくりでも本人達にすれば兄は兄、弟は弟である。つまり、「俺は俺だろう。いくらそっくりとは言え、一緒にするな。一山いくらにされてたまるか。」なのである。少々無理があるが、それくらい別々に扱ってやりたいと思うモデル達である。
一般的に言うならば、No.12はワイシャツのポケットに差しても違和感はないし、じゃまもしない大きさ、重さである。操作性の良いモデルでちょっとした仕事や出先で使う万年筆としてよく似合う…と私は思う。
80番台、70、今回の10、そして今後紹介するであろう20番台のクリップの金張りの優しさ、柔らかさ、10、20番台のキャップリングのそれ。
メッキの技術が心もとなかった為の金張りが優しさや柔らかさを感じさせてくれる。
余り興味のない方には「ど〜でもいいだろう〜。アホかお前達」なのだが、「そ〜なんだよ。俺たちは。アホなんだよ。そのアホが人生を豊かにさせてくれるんだよ。」
“モノにこだわる”とはそんな世界であろう。
カメラだろが、時計、オーディオなどなど、みんなアホの世界である。アホだからこそ、その心の豊かさを感じられる、実感出来る。そして分かちあえるのである。では、画像を。
| No.14とNo.12の大きさ比べをしてみよう。 上グレーがNo.14 下グリーンがNo.12 |
| キャップ・胴軸: | 樹脂 |
| クリップ: | 金張り |
| ペン先: | 18金 |
| 太さ: | キャップ:13.0mm 胴軸:11.8mm |
| 長さ: | 129.7mm 筆記時:142mm |
| 重さ: | 14.4g |
| インク吸入量: | 1.4CC |
| ボディの色: | 黒・赤・緑・灰 |
■ 製造年代: 1960〜1969年
■ 最終販売価格: 15,000円 (1981年5月)