今回紹介する1960年代モンブランNo.23は当時在籍したダイヤ産業にもデータが無かった。
私の記憶ではある日突然どこからともなく日本にやって来たような気がする。
もう少し真面目に話そう。おそらくドイツモンブラン社で造られていたが、その年数もNo.74やNo.72のように1960年から1969年までということでもなく、もっと短期間に製造されたモノではないだろうか。
No.149の<クーゲルポイント>というペン先があった。
このクーゲルとはドイツ語で「球」という意味。通常のペン先のポイントは丸い球を金の地金に溶接し、上面の約半分を研ぎ落とす。ただクーゲルポイントはその名の通りクーゲル(球)で、上面を研ぎ落としていない。正球ではないが、ほぼ球形のポイントであり、裏返しても書けるようにする為の形状である。
このNo.149 クーゲルの太さにはKEFからK3B、そしてオブリークの太さも3種あった。このクーゲルポイントが突然やってきたのである。
私とは別のセクションにドイツから、
「こんなん あるよ〜」と情報が入り、誰かが
「ほなら、来日させて〜」と言って突然やってきたのである。おそらく同じような経緯で日本にやってきたのが、このNo.23ではないだろうか。
No.74はNo.14の、No.72はNo.12の金キャップ版。No.23はNo.22のそれである。言い方は悪いが、ドサクサに紛れて来日されたNo.23さんには正式な戸籍がないのである。私が知らないだけかもしれない…。どうなんだろう?ご存知の方がいらしたら教えて欲しい。では、画像をご覧いただこう。
以下はNo.72とNo.23の比較画像。
* 赤軸→No.72 緑軸→No.23
キャップ・クリップ: | 金張り |
胴軸: | 樹脂 |
ペン先: | 14金 |
太さ: | キャップ:12.0mm 胴軸:11.7mm |
長さ: | 129.5mm 筆記時:144mm |
重さ: | 17.6g |
インク吸入量: | 1.4CC |
ボディの色: | 黒のみか、4色か不明 |
■ 製造年代: 不明
■ 最終販売価格: 不明