教員ら許可得ず組合活動で4年間教室を占有
明け渡し要求を拒否


東京都国立市立第二小学校で、共産党系の教職員組合に所属する教員らが、平成八年 から四年間にわたり、教室の一つを占有し、組合活動の拠点としていたことが、国立市議会で太田政男市議(公明)の指摘によって六月七日明らかになった。
学校側とも念書が交わされ、同校が組合の強い影響下にあることを裏付けている。
同校では平成八年四月から、東京都教職員組合国立地区協議会の組合員約十人が、三階の教室 の一つを占有し、平日の午後二時半から同六時まで、毎週二、三回の割合で、日常的に組合活動 に使用、教室のカギは組合員が持ち歩き、校長ですら中に入れない状態であった。
室内にはコンピューター などが備えられ、組合員が利用していたが、その電気代などは学校側が負担、また国旗 国歌に反対するノボリなども置かれていた。
教室を外部の団体が利用する場合、地方自治法に基づき学校設置者である市教委が定めた市公有 財産の規則に従い、正式に届け出る必要があるが、組合側はこうした手続きを取らず、学校側は「 この教室は会議室に利用している」と国立市教委に説明していた。
組合側はこの教室を利用するにあたり、前校長と念書を取り交わしていたが、昨年四月に赴 任した沢幡校長は更新の際、念書を交わすことを拒否し、教室を明け渡すよう求めているが、組合側はいまだに応じていない。同校に空き教室は一切なく、この教室をパソコンルームや教育相談室にしたい意向もあるが、組合側の占有のためにそれができない状態だという。
市教委はこれまで、この事実を知らず、太田市議の指摘によって事実を確認、石井昌浩教育長は市議会で、「二小と六小で(組合が教室を)許可のない目的外使用をしていた。公有財産は適切に使用されるべきで、早く調査したい」と答弁した。
太田市議は市教委が即刻、全市立学校の施設管理と 教職員の組合活動の実態調査を行うことなどを求める監査請求を国立市監査委員に行い、請求書は、「組合が行政財産である学校の教室を許可なく占有し、教員が不当に組合活動をして いたことは、明らかに公有財産に関する条例に違反し、地方公務員法に基づく職務専念義務違反 ・信用失墜行為である」と指摘。
組合活動の間に教員に支払われた給与および学校が支払った光熱費は、公金の不正支出にあたるとしている。
そのうえで全市立学校の施設管理と教職員の組合活動の実態調査を実施することを市教委に求め たほか、市長が教室と光熱費を組合から返還させること、該当する教職員を調査したうえで給与返還を命じることなどを求めている。

組合側が6月16日教室退去  (2000年6月16日)
国立市議会で6月7日、不正占有が明らかになってから、市教委は「無許可の目的外使用にあたる」と調査を開始。組合に退去を要請、組合はそれに応じた。

六小も退去
国立市立六小の教室を同様に使用していた多摩島嶼(しょ)地区教職員組合国立分会も16日までに、市教委に退去を約束した。

        

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