民主党の小沢一郎幹事長の関連政治団体「小沢一郎政経研究会」(政経研)が政治資金収支報告書で、企業のパーティー券購入額を過少に記載したとされる問題で、記載しなかった金額を小口に分散し、企業名にアルファベットなどの整理記号をつけて会計帳簿に載せていたことが、関係者の話で分かった。帳簿は収支報告書の元となり、偽装工作が裏付けられた形だ。
小沢氏の資金管理団体などの違法献金事件を捜査した東京地検特捜部も、同様の事実を把握している模様だ。
さらに、パーティー券を購入した企業関係者は朝日新聞に対し、東北地方での工事受注後に小沢事務所関係者から購入を求められたと証言。工期終了までの数年間買い続けたとし、工事受注と献金に関係があった疑いも浮上した。
政治資金規正法は、企業が1回に購入できる上限額を150万円とし、企業名と購入金額を収支報告書に記載することを定めている。20万円以下の小口分は報告書に載せる必要がないが、団体内部の会計帳簿には、小口分の購入企業名も記載するよう義務づけている。
政経研(東京都港区)の収支報告書によると、政経研は00〜04年に毎年4回、「小沢一郎政経フォーラム」という政治資金パーティーを開催。この間のパーティー券収入総額は計約6億9千万円で、うち小口分は約6億4千万円。政経研側が150万円の上限を超える金額を企業に要求し、購入させていたケースが少なくとも4件あったことが判明している。収支報告書にはこれらの企業についていずれも150万円以下の記載しかなかった。
関係者によると、政経研側は、上限額を超えて購入した企業について、会計帳簿には購入額と上限額との差額を20万円以下の小口分に分散。小口分ごとに企業名の末尾にABCなどの整理記号をつけた名義で管理していたという。収支報告書には少ない金額を記載しても、帳簿では企業の実際の購入額を確認できるようにしていたとみられる。