延命措置停止の声に絶望 「会話聞こえた」と伊患者
【ローマ6日共同】2年前に交通事故で意識不明となり医師から回復不可能と判断されていたイタリア人男性(38)が、3カ月前に意識を取り戻し「周囲の会話は全部聞こえていた。栄養チューブを外そうかという声が聞こえ絶望的な気持ちだった」と、最近話し始めた。イタリアのメディアが5日報じた。
カトリックの影響の強いイタリアでは、尊厳死への反対も根強く、一部の識者は「植物状態に見える患者でも、生命は維持するべきだ」と主張。回復の見込みのない患者の延命措置停止の是非をめぐる議論にも影響を与えそうだ。
この男性は4児の父。内外の専門医を転々としたが、「回復不可能」と診断された。しかし、本人は「医者が『患者の意識はない』と話すのも聞いていた」という。
【共同通信】
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