「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(29日、さいたまスーパーアリーナ)
挑戦者・亀田興毅が“勝利の使者”の完全バックアップを受けて2階級制覇を達成する。25日、興毅のチーフセコンドを務めるエディー・レイノソ氏(33)がメキシコから来日した。レイノソ氏は元世界2階級制覇のオスカー・ラリオス(メキシコ)の専属トレーナーを務め、世界の大舞台を経験した敏腕トレーナー。過去3度、興毅のセコンドにつき全勝を誇る同氏が、世紀の大一番で興毅を王者へと導く。
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何よりも心強い助っ人が、はるばるメキシコから来日した。この日午前、成田着の航空機で到着したレイノソ・トレーナーは、その足で東京・葛飾区の亀田ジムに直行した。最終調整に入った興毅とさっそく合流し、軽くミット打ちなどをこなし、試合に向けての心構えをアドバイスした。
メキシコ修行時代に関係者を通じてレイノソ氏を紹介され、メキシコでは08年7、8月の2試合に、日本では09年3月、さいたまSAでセコンドに就いた。同氏がセコンドを務めた試合は3戦全勝と勝率100%だ。
同氏はカットマンとしても定評がある。08年8月の試合で興毅が目の上をカットした時は、適切な応急措置のおかげで大事に至らなかった。全幅の信頼を寄せる興毅は「レイノソは若くて世界的にも認められたトレーナー。俺も心強いよ」と率直な心境を語った。
すでにスパーリングを打ち上げている興毅はこの日、減量向けのメニューに終始した。45度を超えるジムの減量室にこもり、室内でのミット打ちを敢行。唯一の不安材料である減量はここまで順調で、この日の練習後リミットの50・8キロまであと1キロを切った。
「今のところ俺に不安はない。レイノソもメキシコから来てくれたし、体調もええ。内藤を倒すイメージも、もう出来てる。ここまで不安がなくて自信があるのは初めてやな。早く試合がしたい。ワクワクしてるわ」。“勝利の使者”のバックアップを受け、因縁対決に終止符を打つ。