北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト・石井慧(22)=アイダッシュ=の総合格闘技デビュー戦が、TBSとFEG共催の大みそか恒例イベント「Dynamite!!」(さいたまSA)のリングで行われることが25日、都内で発表された。注目の相手は、「SRC(戦極改め)」で同日の別会場で対戦予定だったバルセロナ五輪柔道78キロ級金メダリスト・吉田秀彦(40)=吉田道場=がそのままスライドされる方向で調整中だ。同大会はTBS系で全国放送(時間未定)される。
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「戦極」の大物ルーキーがライバル団体のリングに降臨し、魔裟斗や桜庭和志らK-1やDREAMのスーパースターたちと“競演”する。
SRCの大みそか・有明コロシアム大会が、Dynamite!!への合流という形で消滅したことで、既に決まっていた吉田戦が“白紙”となる可能性もあった。だが、米国で練習中の石井は「強敵なので気を引き締めてかからないといけない。年末はお手柔らかによろしくお願いします」と、吉田を念頭に置いたメッセージを寄せた。
会見に出席した吉田は石井戦について「それは戦極のときに決まっていたこと。僕も誰とやるか聞いていない」と意味深な発言を残しつつも、「今の自分にできることを精いっぱい見てもらいたい。こちらこそお手柔らかに」と、石井との対戦を前提にした。くしくも吉田の格闘技デビュー戦は02年8月28日に国立競技場で9万人以上の大観衆を集めて開催されたTBS主催の同シリーズ第1弾「Dynamite!」。柔道王は「非常に思い出のある大会」と“運命”を感じていた。
FEGの谷川貞治代表は「決まりです」、SRCを主催するWVRの稲村角雄取締役も「きちんとした契約になっている」と明言し、石井VS吉田戦は所を変えても実現することになりそうだ。
交渉をまとめた谷川氏は「紅白(歌合戦)のメンバーにあまりサプライズがなかったので、今年は格闘技界が一致団結して紅白に対抗できる」と戦闘モード。石井デビュー戦と魔裟斗の引退試合という強力なダブルメーンがそろったことで、03年大みそかに瞬間最高視聴率43%をマークした曙VSサップ戦以来の紅白超えが現実味を帯びてきた。