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2009-11-26

「しがらみ」との決別

テーマ:鳩山内閣総理大臣

 先般、旧政権の下で作られた補正予算を約3兆円、無駄あるいは不要不急との理由で執行停止させましたが、今月11日からは、来年度の政府予算の無駄を徹底的に排除するために、行政刷新会議の指導によって「事業仕分け」を精力的に進めています。「事業仕分け」とは、事業が本当に国の仕事として必要なのか、地方自治体に任せるべきものか、民間に行わせるべきものか、はたまた不要なものか仕分けることです。私も、24日に仕分けの現場を訪問し、実際のやりとりを視察して来ました。

 この「事業仕分け」では、3つのワーキングチームがそれぞれ1つの事業について1時間かけて議論していました。たった1時間でどれほどの見直しができるのか、結論ありきの議論ではないか、との御意見をいただいていました。

 しかし、実際に見てみると、議論はスピード感溢れるテンポで進められていました。双方から、丁々発止のやりとりが展開されており、しっかりと検討が深められているな、と実感しました。まさに、お互いに国民のみなさんのために仕事をしている、という熱気を強く感じました。何より、多くの一般の方々がそれぞれの会場で、オブザーバーとして熱心に議論を聞いておられますから、訊くほうも答えるほうも真剣勝負です。傍聴したいけれど会場に入りきれない方々が、100名を超えてセンターの外で待っておられる姿を見て、申し訳ないと思うと同時に、いかに国民のみなさんが、国民に開かれた政治を待ち望んで来られたか、その現実を実感したところです。

 この行政刷新会議の「事業仕分け」が見直している事業は、言うまでもありませんが、国が必要だと思って始めた事業です。ですから事業のタイトルから見ると、簡単に、「要らない」と切り捨てることはできないものばかりなのは、当然です。

 私が視察をしたときには、ちょうど青年海外協力隊の事業が俎上に上っていました。この事業を全く不要と切り捨てる方は少ないでしょう。海外で立派な仕事を行ってくださった青年たちも沢山います。ただ、本当に無駄はないのでしょうか。一人当たりに掛かる経費は妥当なのでしょうか。白熱した議論が進みました。結果は「縮減」だと伺いました。本当に事業にふさわしい青年たちを集めた協力事業と呼べるよう、さまざまな角度から検討する必要がやはりあると思います。

 一つひとつの事業について、本当に国民のために無駄遣いなく実施されているのか、コストは適正なのか、民間の方にも参画いただき、厳しく判断することは正しいと思います。国民のみなさんからお預かりした貴重な税金ですから、みなさんに本当に必要と思っていただける事業、政策だけに厳選していく必要があるからです。

 これまでの長年にわたる「しがらみ」と決別し、「行政の垢(あか)」を落とさなければならないのです。

 成果が見込まれない事業はきっぱりやめる、効率化に向け組織のあり方や契約のやり方を見直す、天下り先の法人に無駄に積まれている基金などは国に返してもらうなど、やるべきことは本当に山積しています。

 今後は、事業仕分けの結果を類似の事業にも拡大しながら、無駄を排除し、来年度予算の編成作業を進めてまいります。

 来週からは師走です。寒さも厳しさを増し、新型インフルエンザの全国的な流行も続くなか、みなさまには、くれぐれもご自愛ください。


プロフィール


※鳩山内閣メールマガジン第8号より引用
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