投資金３８０億円が不明　近未来通信の詐欺事件

　ＩＰ電話事業「近未来通信」（東京、破産手続き中）の詐欺事件で、同社が集めた投資金のうち、約３８０億円が行方不明になっていることが２６日、警視庁捜査２課への取材で分かった。

　同課が首謀者とみている元社長石井優容疑者（５３）＝国際手配＝は２００６年に出国後「中国に潜伏中」との情報を最後に所在不明。同課は石井容疑者とともに経営に深く関与していたとみて、詐欺容疑で逮捕した元専務日置茂容疑者（４４）＝宇都宮市西原町＝や元常務建石春雄容疑者（６７）＝千葉県船橋市浜町＝ら５人から事情を聴き、投資金の行方についても調べる。

　捜査２課によると、日置容疑者ら５人は容疑を否認しているという。

　同課によると、同社が１９９９年から破綻直前の２００６年１０月までの間「ＩＰ電話の中継局オーナーになれば毎月配当が得られ、数年で元が取れる」などと持ち掛け、全国の３９７５人から集めた投資金は総額約６０３億円。うち約２２３億円は投資者に戻ったが、破綻時、３８０億円は消えていた。