デフレ宣言のタイミング、GDPの名実逆転に着目したため=内閣府政務官

2009年 11月 24日 21:32 JST
 

 [東京 24日 ロイター] 内閣府の津村啓介政務官は24日夕、内閣府政策会議後に会見し、政府がこのタイミングで「デフレ宣言」を行った大きな理由として、実質国内総生産(GDP)が名目GDPを上回る名実逆転に着目したことをあげ、この点を「新政権ならでは切り口」と強調した。

 政府は20日に公表した11月の月例経済報告で、物価動向は「緩やかなデフレ状況にある」とし、3年5カ月ぶりに「デフレ宣言」を行った。

 津村政務官は、このタイミングでデフレ宣言を行った理由について「市場も含めた国民一般から見た(景気の)現状認識が、政府の緩やかな回復過程にあるとの認識とややかい離しているのではないか」との問題意識に立ち、認識ギャップが生じている原因として「名目GDPが国民の生活実感の一つの材料。名実逆転という現象に注目した」と説明。

 2009年4─6月期、同7─9月期と2期連続して名実逆転現象が起きていることが、デフレ宣言に至った大きなポイントの一つとの見解を示した。

 また、デフレの原因については「政府として一概にこれが原因とは表明していない」と明言を避けながら、「局面によって何がデフレ現象に強く効いているのが議論していくべき。今回、マネタリーな要因がどの程度あるのか、それぞれの立場で議論するのは当然だ」と金融面からの影響も分析すべきと指摘。その上で、「政府として、心理面や金融資本市場の動向にも目配りしながら、財政面のボリューム、中身で潜在成長率を上げていく算段をしていくのが基本姿勢だ」と語った。

 

 
 
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