カウス 大阪府警から取調室で暴行された
11月26日9時25分配信 デイリースポーツ
大阪府警から取調中に暴行されたことを激白した中田カウス=大阪市内 |
◇ ◇
怒りをこらえ、穏やかな表情でカウスは密室の出来事を語り始めた。
「任意の聴取に協力させたあげくの果てにむちゃくちゃされて…。許せないでしょう。足利事件の菅家(利和)さんのえん罪で取調室の可視化に向けて世論が高まってる。こんなことがあったことも知ってほしかった。泣き寝入りしている人はいっぱいいるんやから」
カウスによると、府警本部の取調室で捜査員に暴行を受けたのは、昨年3月4日午後8時ごろ。問題の捜査員は、聴取の記録係に外に出るように促し、突然、襲いかかってきた。再現すると次のようになる。
まず、捜査員は取調室の机を隅に寄せてスペースをつくった。カウスが座っていたキャスター付きのイスの正面に自分のイスを置き、両ひざでカウスの両ひざを挟み込み、動けなくした上で「こら、カウス!」と暴言を吐くとともに、カウスをイスごと壁にぶつけた。さらに、腰の痛みでうつむくカウスのあごをつかみ「われ、顔上げんかい!」と無理やり引き上げ、最後にイスの脚を持ち、そのままひっくり返した。カウスはもともと腰痛の症状があり、この暴行で約30分もの間、動けなくなったという。
カウスは翌日、大阪市内の病院で「むち打ち症や腰部打撲で、7日間の安静加療を要する」との診断を受け、この日の聴取の際に診断書を問題の捜査員に見せ、コピーを取らせた。しかし、捜査員は「どうせ知り合いの病院やろ」と開き直ったため、後日、初めて訪ねる病院で精密検査を受け、同様の診断を受けた。
新たな診断書はカウスの代理人を務める弁護士が、府警捜査四課長に提出。しかし、その後、府警側からの謝罪は一切なく、執ように続いた聴取もプツンと途絶えた。
聴取を受けていた恐喝事件は、もともと不正支出金を返還させるようにカウスが当時の経営陣から依頼された経緯があり、当初から事件性があるのかどうか疑問視されていた。
カウスは今年1月9日夜に何者かに路上で襲撃され、事件は未解決のままだ。問題の捜査員は計13回の取調中、禁煙の取調室内でたばこをカウスの顔に吹きかけたこともあり、こんな“予言”もしていたという。「お前がヤクザに追い込まれてもサツ(警察)は何もせえへんぞ」。
デイリースポーツは、大阪府警に対し、上層部が診断書提出の事実などを把握していたのかどうかなど書面で質問したが、期限までに回答はなかった。
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最終更新:11月26日10時2分
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