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よい投資先がなく家の中にお金を積んでおく「タンス預金」という言葉がある国。現金を重視する日本で長期投資の価値を掲げファンドブームを起こした「さわかみファンド」が今年でファンド運用10周年を迎えた。同社の澤上篤人社長がアナリスト14人を含む64人という少数のスタッフを率いて2200億円のファンドを安定的に運用している秘けつは何だろうか。
--投資家は証券市場でしばしばひどい目にあう。長期投資は代案になり得るか。
「米国で20~30年間株式を寝かせておけば、投資利回りが物価上昇分を除いても年平均6.8%に上る。証券理論家のジェレミー・シーゲル米ペンシルバニア大学ワットンスクール教授が調査した結果だ。ある時点で投資しても長期投資すれば株式は必ず年6.8%の収益を出す。“6.8%の法則”と言える」
--株式は買うよりも売る技術で成果が決定するという。20~30年待ち続けるのは難しくないか。
「そういう考え自体が短期投資用だ。われわれは長期投資をするので長期的視点で投資する。ファンドの正式名称がそもそも『長期保有型ファンド』だ。断定することはできないが、時間が経つほどに金額は大きくなる。長期的に資産を形成するファンドだ。そのため短期投資に関心のある人には投資を勧めない。まだ10年の歴史にしかならない。しかしこれからだ。20~30年後には結実が現れるだろう。先進国では50~60年になる長期ファンドがある。韓国も同じような状況が来るだろう」
--証券市場の見通しを楽観する理由は。
「世界の人口は現在68億人だ。今後毎年1億人ずつ増え2050年には92億~100億人に達する見通しだ。人口が増えるほど食べて飲んで着て楽しむ需要が増える。人はより潤沢な生活を求める。人口増加といい生活をしたい欲望はなくならない。これがある限り長期投資を通じた有望企業の経営果実を得られる。ダブルディップ(二番底)は心配していない。短期投資家らはそれを意識するが、長期投資家にはチャンスだ。底は上昇反転の始まりでもあるためだ。日本の慢性的なデフレもいつか終わる。高成長は難しいが、3~4%の成長率が戻ってくるかもしれない。
--この1年間大変ではなかったか。
「株価指数が下がれば投資家は一般的に株を売るが、われわれはこの時に現金を多く投入する。株価は2007年8月の米サブプライムローン問題以降今年3月まで下がり続けた。われわれはこの期間に1400億円相当を買い入れた。この1~2年間で銘柄を少し修正し、保有現金を通じて株式を多く取得した。現在の運用額2200億円のうち95%が株式だ。
「いまは目を閉じて株式買うとき」澤上篤人さわかみファンド社長(2)
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