国民が憲法に基づき法律の制定などを求めて衆参両院に提出する請願について、民主党が党所属議員に対し、野党が主導するケースなどで紹介議員になるのを自粛するよう求める方針をまとめたことが25日、明らかになった。政策決定の「政府与党一元化」を掲げる小沢一郎幹事長の意向を反映したものといえそうだが、党執行部による議員活動へのさらなる「しばり」は議論を呼びそうだ。
「請願の取り扱いについて」と題した方針は、冒頭で「請願は国民の権利であるが、政権党の国会議員であるとの自覚のもと、請願紹介議員となる場合は慎重に対応すること」と指示。紹介議員について(1)政府・与党の政策実行などに寄与すると判断される請願以外は自粛(2)政務三役、国会の常任委員長などは原則禁止(3)野党主導の請願は自粛--と規制した。請願に対する党の採否は、請願担当理事と各省の政務官が協議し決める。
請願は国民が国政への要望を直接、国会に伝える手段。陳情とは異なり、国会提出には議員の紹介が必要で、関係委員会で審査される。08年の通常国会では4945件が提出され、509件が採択された。【念佛明奈】
毎日新聞 2009年11月26日 2時30分