来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」は26日、通算で8日目の作業に入り、防衛省が求めている第一線部隊に配置する自衛官の増員要求(概算要求額72億円)について、予算要求を見送るよう求めた。海外派遣の拡大などに対応するため約3500人の増員を要求しているが、仕分け人は「実際に需要があるのかがわからない」などと指摘した。
防衛省によると、第一線部隊に配置する陸上、海上、航空各自衛隊の隊員数は約22万9千人(今年3月末)で、充足率は92%。防衛省は増員の理由を「ソマリア沖の海賊対処活動や大規模災害などに対応するため」と説明した。
仕分け人は「コスト削減の努力が足りない」などと指摘。増員要求は「認められない」として、予算計上は「見送り」と判断した。
米軍基地などの用地を国が借り上げる際に定める防衛施設の用地借料の水準も議論した。仕分け人からは「全国的に地価が下がるなかで借料水準は高い」との指摘も出たが、とりまとめ役の枝野幸男・民主党衆院議員が「(基地問題を抱える)沖縄などの事情を配慮する必要がある」として、最終的に「予算要求通り」とした。
26日はこの後、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)関連で基地労働者の給与水準などを議論する。
環境省が所管する国際的な研究機関への拠出金(概算要求額5億円)は、コスト削減の余地があるとして、「予算削減」を求めた。