news002.jpg

Kindle 2が我が家にやって来た (2/2)


前のページへ 1|2       

肝心のコンテンツ

画面下部に表示されるOxford辞書 画面下部に表示されるOxford辞書

 到着時、Kindle 2に入っているコンテンツは「Kindle User's Guide, 1st Ed.」とWelcome文書、「The New Oxford American Dictionary」のみ。User's Guideは取扱説明書、Welcome文書は顧客へのあいさつ、といったところ。

 The New Oxford American Dictionaryは、普通に本の辞書と同じように読むこともできるが、Kindle 2の検索機能を使えば実質的には「英英辞典」となる。

 また、一般のコンテンツを読んでいる時に、知りたい単語の前にカーソル(5-way controllerを動かすと、Iカーソルが表示される)を持っていくと、その単語について、Oxford辞書の内容を画面下部に表示してくれるようになっている。頭の部分しか表示されないので、続きを見たいならEnterキーを押せば、辞書コンテンツに切り替わり、続きを読める。

 さて、Kindle 2で本を読む操作は、HOME画面で本を選ぶところから始めるのだが、HOME画面に表示される(つまりKindle 2に保存する)コンテンツをKindle 2に入れるには、幾つかの方法がある。

 オーソドックスなやり方は、Whispernetと呼ばれる携帯電話網を使ったインターネット接続でAmazon.comにアクセスしコンテンツを買う方法だ。ここでは、Books(書籍)、Newspapers(新聞)、Magazines(雑誌)を買える。書籍は初めの章をサンプルとして読め、新聞・雑誌は14日間のお試し期間があるので、試読してから購入できるのがいいところ。

 書籍はおよそ30万冊から選べる。数が多いので、書籍名や著者名で検索するか、Kindle Best Sellerなどから選ぶことになる。この辺の感覚は、PCのブラウザからAmazon.comで買うのと、たいして変わらない。

 新聞は、The New York TimesUSA TODAYといった有名どころをはじめ、55誌があった。アメリカだけでなく、ブラジルや中国などの英字新聞もある。日本のものでは、The Mainichi Daily Newsがラインアップされている。雑誌は、TimeやNewsweek、PC Magazineなど33タイトルがあるようだ。

 コンテンツはAmazon.comから買うだけでなく、自分でも用意できる。これがPersonal Documentsと呼ばれているもので、text文書、Word文書、html、PDF、Rich Text、gif、jpegに対応している。ただしdocxとpdfは試験運用のようだ。

 付属のUSBケーブルでKindle2とPCを接続すると、リムーバブルディスクとして認識され、audible、documents、musicの3つのフォルダが見える。ここのdocumentsフォルダにPersonal Documentsを入れるのだが、pdfとdocxは変換が必要だ。

 Kindle 2を買うと、「***@kindle.com」といったメールアドレスが割り当てられる。ここあてにpdfファイルまたはdocxファイルを添付してメールすると、Whispernet経由で変換されたファイルがKindle 2に入る。ただしこの方法だと、1回10セント程度の利用料が掛かるので、次の方法をお勧めしたい。

 ***@free.kindle.com(***の部分は上記と同じ登録されているもの)にpffやdocxファイルを添付して送ると、変換され拡張子がazwになったファイルが返信されてくる。これをKindle 2のdocumentsフォルダに入れればOK。この方法だと利用料は掛からない。

 幾つかのファイルを、このやり方で変換してみたが、中には「A problem with your message sent to ***@free.kindle.com」として変換ができなかったものもあった。この辺りが「試験中」というゆえんだろう。

完成度は高い

 Kindle 2は、電子書籍としては完成度が高いと思う。Whispernetのおかげで、単体で書籍、雑誌、新聞を購入できるし、場所も選ばない。デジタルデバイスならではの機能として、読み上げや辞書引き機能もある。ここで紹介しきれていない便利な機能もまだある。

 ソニーが日本市場で失敗したので、イマドキ電子書籍ってどうよ? 的な見方をしていたのだが、書籍販売大手が手掛けることで30万冊のラインアップを用意でき、Whispernetによる通信機能とあいまって、使い勝手の良いものに仕上がっている。日本語に対応すれば文句はないのだが、それも時間の問題だろう(日本の書籍流通の問題は別として。というよりこっちの方が問題なのかもしれないが……)。

 将来的には「いつまでWhispernetがタダで使えるのか?」が気になるところ。Kindle 2には、「試験的」な機能としてBasic Web Browserというブラウザがある。Whispernetを使った、ごくごく基本的なもので、JavaScriptやCookieには対応しているが、FlashやJavaアプレットには対応しない。もちろん画面表示はモノクロだ。画面描画もスピードも遅い。それでも、設定不要、しかも無料でWebにアクセスできるのだ。それも、世界100カ国で。

 日本語は文字化けしてしまうが、Gmailにもアクセスできた。いつまでもタダなら最高だが、もしかしたら、Basic Web Browserでのアクセスが有料になるとか、Basic Web Browserそのものが削られてしまうかもしれないと、心配している。

 そんなこんなで、今のところは便利に使っているわたしだ。なにせ、洋書を読もうと思ったら、都内の大手書店の洋書売り場まで出向くか、Amazonで注文することになる。面白そうな本はないかなと思って探している時は、書店なら読み始めてから選べるが、Amazonの場合、“なか見検索”が無いものは、立ち読みができないので、買うハードルが高い。Kindle Storeの場合、初めの章はサンプルとしてダウンロードできる。24時間どこにいても、だ。雑誌や新聞が自動的に配信されてくるのも魅力。

 個人的には、学校の教科書も辞書もすべてKindle 2に入ってしまい、子供が学校に通う時には、ノートとKindle 2だけ持っていく、ネットで調べ物をする時もKindle 2を使う、というようになると面白いと思う。

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

関連キーワード

電子書籍リーダー | Kindle | Amazon | 電子書籍


関連ホワイトペーパー

Amazon(アマゾン) | 検索 | ブラウザ


前のページへ 1|2       

Copyright© 2009 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.





PR

ソリューションFLASH

キャリアアップ



エンタープライズ・ピックアップ

news021.jpg 世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:大前研一の辛口ニッポン応援談(後編)
日本の教育を改革する際の方法は2つ。「スーパースパルタ」の韓国方式と徹底的に考える力を養う北欧方式だ。

news014.jpg リクルートエージェントのWebマーケティング刷新:経営戦略と結び付かないWeb構造改革は失敗する
Webマーケティングの改善を試みるも、思った成果を上げられないと腐心する企業は少なくない。リクルートエージェントが1年以上にわたって実施した「Web構造改革」からは、課題の個々を改善するのではなく、経営戦略やコスト削減とどう結び付くかをまでを考えることが成功の秘訣であることが分かる。

news002.jpg Kindle 2が我が家にやって来た
世界約100カ国で使える3Gネットワーク接続がタダ――これを知って、思わずノリで注文したKindle 2が、手元に届いた。

news006.jpg 企業セキュリティをあるべき姿に:「コンプライアンス」という言葉に潜む問題点
企業の情報セキュリティ対策を構築する上で、常につきまとう言葉が「コンプライアンス」です。対策の指針を決定する重要な要素ですが、理解を誤れば適切な対策を講じるのは難しくなります。今回はコンプライアンスの言葉に潜む問題点を考察しましょう。

news010.jpg ドジっ娘リーダー奮闘記:あれもこれも任せちゃえ――リーダーの本当の仕事
リーダーは忙しい。個人の仕事に管理業務……でもそれは、本当にリーダーがやるべきことでしょうか。しんこちゃんと一緒に、リーダーの仕事とは何なのかを学んでいきましょう。