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【芸能・社会】

丘灯至夫さん死去 『高校三年生』アニメ『みなしごハッチ』など作詞

2009年11月25日 紙面から

 「高校三年生」や「ねこふんじゃった」、アニメ「みなしごハッチ」の主題歌など、幅広いジャンルのヒットで知られた作詞家の丘灯至夫(おか・としお、本名西山安吉=にしやま・やすきち)さんが24日午前4時2分、腎不全のため、東京都千代田区の病院で死去した。92歳。福島県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日お別れ会を開く。喪主は妻ノブヨさん。

 関係者によると、丘さんは昨年6月に慢性腎不全で入院。その後入退院を繰り返していた。3日ほど前から容体が悪化し、最後は家族に見守られ、静かに息を引き取った。

 18歳のころに、詩人西条八十に師事。1938年に童謡で作詞家デビューした。戦後、毎日新聞で働く傍ら、日本コロムビアの専属作詞家にもなり、岡本敦郎の「高原列車は行く」、初代コロムビア・ローズの「東京のバスガール」などをヒットさせた。63年、遠藤実さんが作曲、舟木一夫(64)が歌った「高校三年生」が大ヒットした。

 丘さんの才能は、アニメ界でも開花した。「みなしごハッチ」「ハクション大魔王」などのアニメから数々のヒット曲を生んだ。子ども好きで、その作品も、子どもたちが聞くことを想定し、わかりやすく親しみやすい言葉を選んだものが多かった。

 「好々爺(や)」として後輩に親しまれ、一昨年都内で開かれた「90歳の青春パーティー」でも、衰えない創作意欲をアピールした。昨年7月に発売された「あの世はパラダイス」が最後の作品になった。丘さんは「死ぬことは怖くない」をテーマに、歌詞に念仏を取り入れるなどユニークな歌詞に仕上げた。小林亜星さんが作曲、歌手エノケソ(78)が歌った。

 88年、勲四等瑞宝章を受章。93年に故郷福島県小野町に「丘灯至夫記念館」がオープン。名誉町民にもなった。同町の宍戸良三町長は「町民が誇りに思っていた方で残念です。町としても追悼展を考えたい」と話した。

 舟木一夫の話 遠藤実先生、丘先生と「高校三年生」の生みの親が相次いで亡くなられてドラ息子だけが残っちゃいました。青春時代、丘、遠藤両先生にたくさんのヒット曲をいただいて育ちましたから、何だか自分の育ての親を失ったような気持ちです。

 

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